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2007年12月11日 (火)

君がいる風景

 老朽化した校舎の取り壊しが決まり、開催された中学卒業十年めの同窓会。願いがかなうという「学校の伝説」を試す最後の機会に哲哉はすがった。“魔鏡”に「美鈴を助けて」と強く念じた彼は、十年前の中学三年生の自分のなかに転移していた。その夏、美鈴は死んだのだ。今度は自分が美鈴を救う。
 転移後なぜか不完全になってしまった記憶をたよりに、行動を起こした哲哉。しかし、美鈴の「死因」と確信したものを排除したとき、彼は間違いに気づく。

 青春の日に戻り、あの日の過ちをやり直したい、という、誰もが一度は考える思いを具体化した物語。しかし簡単には過去は変えられない。
 単なる願望充足にならないところが、うまい。
 新城カズマ『サマー/タイム/トラベラー』に比べて、描かれる青春が、格段に共感しやすい。
 地震にはおどろいた。そういえばあったな、と思って調べたら、史実とは一年ちがいのようである。
 著者は《NHK少年ドラマシリーズ》をめざしたと言い、いくつかの作品をあげている。そういやこの表紙、『暁はただ銀色』の風合い(ふうあい)に似てると前から思ってたんだ。イラストレーターが意識してのことかどうか知らないが。
 ほろにがいものも感じさせつつ、結局は願望成就になっているが、主人公が命がけで実力で勝ちとった未来だ、まあよかろう。

『君がいる風景』平谷美樹、2002。ソノラマ文庫

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コメント

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 ご案内、ありがとうございます。
 あまりブログ的やりとりに時間が割けませんので、当面はこのままにしておきます。

それより、新しい記事を書き込めなくなりましたよ。
どうなってるんでしょう?

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