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2008年2月 9日 (土)

ベルカ、吠えないのか?

 犬が「ジョーズ」のポスターのように口を開けて吠えている表紙写真に謎めいたタイトル。《四頭のイヌから始まる、「戦争の世紀」》という帯の惹句。ボリス・エリツィンへの献辞。そしてもちろん本文の拾い読みでそそられた。『アラビアの夜の種族』の作者のネームバリューにも。

  いっさいが忘れられた。たとえば二十世紀において
 アメリカ合衆国の領土が他国に侵略されたことがある
 事実を、人々は忘れた。二十世紀に、それはただ一度
 だけ起きた。太平洋の北側、アリューシャン列島で、
 二つの島が日本軍に占領された。
            (2章「一九四三年」冒頭)

 こんな出だしで、そそられないではいられない。そして日本軍撤退のあとに残された四頭の軍用犬から、物語が始まるのだ。おもしろそうじゃないか。

 たしかに、おもしろかった。ただちょっと乗りきれなかった。いろいろなエピソードを読みながら、「猿の惑星」シリーズにおけるシーザーの登場を期待していたような気がするが、とうとうシーザーは現れなかった。

『ベルカ、吠えないのか?』古川日出男、2005、文芸春秋。


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