最近のトラックバック

« われら顔を選ぶとき | トップページ | せっちゃんのごちそう »

2008年2月 3日 (日)

怪しい日本語研究室

 '84年から日本で英語講師をし、現在、日本語から英語への翻訳者である著者が長年の日本語経験で気づいた日本語の様相をおもしろおかしく語る。
 「するめ」を「あたりめ」、「アシ」を「ヨシ」と言い換える日本人にとって、「平和」が「戦争」の忌み言葉に過ぎないのではないかという皮肉。
 お役人が「整備」という言葉好きなことから、その文体を「整備文」と名付け、「徒然草」や「平家物語」を「整備文」化してみせ笑わせる。清水義範が解説を担当してるのは、その「パスティーシュ」の見事さゆえか?
 「大蔵省」は千年以上さかのぼれる世界一古い官庁名なのだとか。そう言われると、著者同様、その廃止が残念に思える。
 一番おもしろいのが、少年時代から言語オタクだった著者の語る、古代文字解読と日本語の関連について。ミケーネ文字( 古代ギリシアの線文字B )は1母音+1子音からなる1音節を、1文字で表しているそうで、その解読方法を著者は平仮名を使ってわかりやすく説明している。
 エジプトのヒエログリフが表意文字と表音文字の組み合わせであることは、漢字と振り仮名で説明する。
 まるっこい絵文字のようなマヤ文字がまた面白い。これにも表音文字と表意文字があり、表意文字の後には「送り仮名」が、前には「迎え仮名」が付く(ときもある)という。漢字に置き換えると、「魚」は、「さかな」「魚」「さ魚」「魚な」「さ魚な」と5通りの書き方ができるんだと。いや〜、たまらなくシビレル話だ。

『怪しい日本語研究室』イアン・アーシー、2001、新潮文庫。

« われら顔を選ぶとき | トップページ | せっちゃんのごちそう »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/502963/17936633

この記事へのトラックバック一覧です: 怪しい日本語研究室:

« われら顔を選ぶとき | トップページ | せっちゃんのごちそう »