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2008年2月 4日 (月)

せっちゃんのごちそう

 ひところ「朝まで生テレビ」によく出ていた、在日朝鮮人で人材育成コンサルタントの辛淑玉(シンスゴ)が、極貧の少女時代、がむしゃらに働く薄給時代の苦労の数々と、そんな中でも楽しかったいろんなエピソードを語る。
 お米がなくて布団を売ったり、野菜泥棒をしたり、デパートの試食で空腹を満たしたり、よその家で捨てようとしている卵の白身をもらって帰ったりと、貧乏話てんこ盛り。その上、在日の重みがのしかかる。大学卒業間際の敗戦で日本国籍を失ってまともな仕事につけなくなった父親、家父長制を背景にした母への父の暴力、母の忍耐と父に対する陰口、日本人からの横暴と在日団体の横暴。
 26歳で社員二人で会社を設立してから、少しずつ家の借金を返していった時、一軒返すたびに明るくなっていく母の顔、最後の借金を返し終わった時の父の笑顔を強調する著者にとって、「ごちそう」はやはり、家族の笑顔、周囲の人々の笑い声なのだ。
 テレビに出るようになったおかげも大きいのだろうが、多彩な著名人との交流も興味深い。

『せっちゃんのごちそう』辛淑玉、2006、NHK出版。

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