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2008年2月 1日 (金)

われら顔を選ぶとき

 恒星間に広がる人類の世界は《家》と呼ばれ、18の惑星にある居住地区は《翼》と呼ばれる。人類を保護するためにこのシステムを構築した《一族》が、次々と命を狙われる。命を落とした者の記憶が次の《結節点》となる者に受け継がれ、《一族》は謎の暗殺者に立ち向かう。
 ・・・という第二部が本書の主要部分で、“主人公”が全ての記憶を取り戻すのが第三部。
 そんなことを言うとネタバレみたいだが、それくらいは読メルからいいでしょう。
 で、第一部は、暗殺された20世紀のマフィア「天使のアンジー」が、冷凍睡眠のあと、遥かな未来に覚醒し、彼を目覚めさせた子孫の依頼で惑星アルヴォにいる敵を討ちに行くのだが、その間に人類世界は壊滅の危機に瀕し、アルヴォにある敵の施設でクローン技術などを学び、人類を保護することになる、という話。
 第一部の雰囲気が気に入らなくて、永らく積ん読になっていた。こんなことなら解説で作者が「もともと」と言ってるように、第一部をあとに持ってきたほうがよかったかも。

 評価は、今の所、いまいち。《家》だとか《翼》だとか、勝手に作った用語を説明なしに並べるので、話がなかなか飲み込めない。最後まで読んだらなんとなくわかってきたので、もう一度読んだらおもしろくおもえるかも?

 本書には、いろんなゼラズニイ的なものがちりばめられている。
 記憶の喪失と回復にまつわる話にはコーウィンを思い出すし、《翼》ごとに存在する《一族》のメンバーは、《影》の分身のようだ。敵は《混沌の宮廷》的だし。
 脳内のささやきは『砂のなかの扉』。意識の共有や継承は『燃えつきた橋』や『光の王』にも出てくる。
 一人にして多者というイメージは、登場人物も「あなた、ひとつの人格なの、それともお名前は多数(レギオン)……」と指摘するように、『わが名はレジオン』である。
 ところで196ページに「嘘の王(あくま)ッ」とあるが、英語ではもしや、LORD OF LIES? 蠅の王(LORD OF THE FLIES)は悪魔を意味するが、よく似てるな。

『われら顔を選ぶとき』ロジャー・ゼラズニイ、黒丸尚・訳、1985、ハヤカワ文庫SF。
 TODAY WE CHOSE FACES by Roger Zelazny,1973.

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