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2009年8月 8日 (土)

青い虚空、別冊カドカワ・崖の上のポニョ

 ジェフリー・ディーヴァー『青い虚空』読了。
 都会の護身術をサイトや講演会でPRする女性ララ・ギブソンが殺される。彼女が最後に目撃されたシリコンバレーのバーから彼女を連れ出した男は、彼女の友人の知り合いになりすましていたらしい。カリフォルニア州警察コンピュータ犯罪課(CCU)は、男が被害者のパソコンに侵入して情報を得ていたと推測するが、手に余り、服役中のハッカー、ワイアット・ジレットに捜査協力を依頼する。
 米国ハイテクエリアで起こった未解決の事件を洗い直すと、それらがコンピュータ界の記念日に起きていたことがわかる。UNIVAC稼働日、ENIAC完成日、IBM第一号PC発売日、等々。
 インターネット接続はもちろんパソコンの使用も禁じられているジレットが、特別に許可を得てオンラインで調査した結果、ハッカーやクラッカーに恐れられる人物〈フェイト〉が浮かび上がる。彼は何を企んでいるのか? 彼がかつて率いていた〈アクセスの騎士団〉や仲間の〈ヴァレーマン〉は今?
 CCUの面々の誰もが密通者かあるいは〈フェイト〉の相棒〈ショーン〉ではないかと疑わせる巧妙な話運び。
 最重要キャラと思われた人物が1/5ほど読んだところで命を落とし、ページをめくる手が止まらなくなった。
 2001年の作品だから、コンピュータの世界では特に時代遅れの話になっていそうなものだが、そう感じさせないエキサイティングな展開に酔った。まあ、井上夢人の『パワー・オフ』などはパソ通時代の話だけど、時代に関係なく面白いはず。『青い虚空』もそうだろう。


 『別冊カドカワ 崖の上のポニョ Featuring スタジオジブリ』読了。
 映画公開時(去年)に買ったが、映画を観るまで置いていた。
 NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」で宮崎駿をハンディカメラで追い続けたディレクター荒川氏によると、宮崎監督はアニメ『カーズ』を観たあと泣いて帰ってきたという。CGの過剰さに、ラセター監督の身を案じてのことらしい。
 手描きにこだわるのはジブリだから出来ること、と言う人もいるが、コンピュータを使ってもいいから、手描きテイストをなくさないでほしいなぁ。
 叶精二氏の言葉が『ポニョ』を見事に評している。「モチーフは一層誠実で健全だが、表現は一層アナーキーで凶暴である」いや、まさに。
 藤津亮太氏「驚くべきは「スタジオジブリの普遍的エンターテインメント性」ではなく、「普遍的エンターテインメント性」から離れてもなお宮崎アニメがヒットする点にこそある」。藤津氏はその理由を、宮崎アニメの絵柄が変わらないことにあるという。たしかに、山田君や猫恩の絵柄では、観たいとも思わないなぁ。逆に山田君や猫恩が宮崎キャラだったら、理解しようと頭をひねったかもしれない。
 藤津氏はまた、『千と千尋』を作ったあとに宮崎監督が言ったこととして、完成した文体で作品をつくってもおもしろくない、といった内容の発言を紹介している。そういう趣旨の発言は私も読むか聞くかしたことがあるが、この「文体」とは大塚英志氏のいう「構造」のことだろうか。宮崎は『もののけ姫』あたりからこっち、「完成した文体」から逸脱することに成功しているようだが、それでも大塚には「構造」にとらわれているように見えるのだろうか?
 八幡麻衣子氏いわく、『ハウル』のソフィーの外見が変わるのは、彼女の精神が反映しているのだと。納得!
 谷山浩子は『ゲド』の仕事が来るまでジブリ作品を見たことがなかったという。意外! 彼女の歌の傾向からして、大好きだとばかり思ってたのだが。

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