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2009年9月20日 (日)

玻璃の天

 2009.09.15
 『玻璃の天』読了。良家の令嬢、花村英子が身の回りに起こる謎を、お付きの運転手、別宮みつ子と共に解き明かす、ベッキーさんシリーズ第二弾。
 「幻の橋」内堀銀行当主の令嬢、百合江が惹かれあった相手は、祖父の代から絶縁状態のウチボリ・ランプの子息だった。なぜ、百合江の祖父は兄弟でいがみ合うことになったのか?
 「想夫恋」華族令嬢、清浦綾乃との、新刊の書物「あしながおぢさん」をきっかけにした交流と、暦を模した暗号文。
 「玻璃の天」新進気鋭の建築家、乾原の設計した末黒野邸に招かれた英子。そこで起こる転落死の謎。
 それぞれの謎や謎解きは、それなりに面白いのだが、謎解きを考えるのは苦手なのでさっと読み流す。それよりも、当時の社会情勢や風俗習慣が非常にくわしく面白く書き込まれ、それを味わっているうちに、謎が顔を出すという、決して謎解きをメインイベント的に扱わない比重の置き方がここちよい。
 「幻の橋」での全体主義者、段熊荒雄をめぐる話、「想夫恋」での文学・映画評、「玻璃の天」での与謝野晶子評なども興味深い。
 そうこうする中での、英子と若月少尉との出会いや、ベッキーさんの正体に関わる描写が、読者を続刊へ確実に誘なう。
 これを読んでしまったら、古書店落ちも、文庫落ちも、待ってなどいられない。

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