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2009年11月16日 (月)

ガタカ(GATTACA)

 映画『ガタカ(GATTACA)』(DVD)アンドリュー・ニコル監督。
 イーサン・ホーク、ジュード・ロウ、ユマ・サーマン。
 遺伝子解析が瞬時に出来るようになり、指先からの血液採取でセキュリティチェックがなされる時代。遺伝子操作を経た体外受精で心身ともに健康な子供を作ることが常識となっているなか、ヴィンセントの両親は普通のセックスによる愛の結晶として彼を産み育てた。生まれた直後の血液検査で、余命30年など数々の欠陥の可能性を指摘されたヴィンセント。DNAによる差別が禁じられているにもかかわらず、幼稚園入園から就職まで、さまざまな不利益を受けて来た彼は、夢をかなえるために、別人になりすますという危険な賭けに出る。
 ディストピア物のSFらしき設定だが、遺伝子的に劣る者が不適正者とされるいっぽう、遺伝子的に劣る者がガタカなど社会の上層部にいないわけでもなく、ガタカに所属する者の子供が遺伝子的に完璧であるとも限らない。不適正者に同情的な者もいる。不思議とゆるやかな(あるいはいい加減な)管理社会である。
 整形もせずに銀メダリストのユージーンになりすましたり、全世界から注目されないわけにはいかない土星への宇宙飛行士をめざすなど、インターネット社会では身元がバレないなずのないことを平気でするのは、1997年公開作品ゆえの呑気さなのか?
 SFとして期待したけれど、遺伝子差別はすでに起こりつつある現実だし、土星探査は象徴にすぎない。
 むしろ、身分や経歴を偽ってのし上がろうとするストーリーは『ワーキング・ガール』や『摩天楼はバラ色に』のようだし、差別されるものが正体を明かしたのち旅立つという構図は『破戒』(未読)のようでもある。そして、身分を貸し借りする二人の若者の喜びや苦悩を描いた青春ドラマである。
 それにしてもせつないラスト。帰って来て車椅子を見たときのヴィンセントの苦悩は察して余りある。
 この世界に身障者支援活動はないのか?(ユージーンの選択肢になかっただけ?)
 サイバーダイン社のHAL( Hybrid Assistive Limb)はないのか? 
 (余談だが、ユマ・サーマンって、ほんとは「ウマ」? 予告映像やメイキングで、たしかにそう言ってる)

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