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2010年1月

2010年1月31日 (日)

九月の恋に出会うまで

 2010.01.27
 カメラが趣味の北村志織。芸術方面に理解のあるオーナーのアパートに引っ越したのは8月中旬。それからしばらく経った9月初日、アパートの壁のエアコン取り付け用の穴から声が聞こえてくる。どこにも通じていないはずの閉じた穴から呼びかけてきた相手は、A号室の平野と名乗った。それも、1年後の平野だと。彼は志織に不可解な頼み事をする。

 情報のみが行き来する時間ものといえば、小説『タイムスケープ』『未来からのホットライン』、映画『オーロラの彼方へ』『イルマーレ』『リメンバー・ミー』などがある。前の2作は機械によるものだが、後の3作は自然現象だ。なぜそういう現象が起こるのか、説得力をもたせるのが大切。
 『九月の恋に出会うまで』は、説得力はちょっと弱いかも。なぜそこにそんな「タイムトンネル」が?
 主人公の反応も甘い。普通に考えたら盗聴されてるっぽいし、盗聴装置が見あたらなくてもうさん臭すぎるから、頼み事は聞かないなぁ。よっぽど新聞見出しの「予言」の的中がショックだったのか?

 未来の「平野」の依頼のわけは? これから一年の間に何が起こるのか? そんな謎に引っ張られ、一気に読んでしまうのは確か。真相は想像のつく範囲だが、うまく最後までごまかしている。
 バンホーはおもしろいキャラだが、SF的ではないなぁ。未来とのつながり方に異論をとなえた理系的な平野にしては、バンホーについての推論がちょっとオカルト的じゃない?

2010年1月29日 (金)

パプリカ

 2010.01.29
 筒井康隆『パプリカ』読了。
 精神医学研究所の時田浩作が開発したPT(サイコ・セラピー)装置と、それを活用した千葉敦子の治療は、めざましい成果をあげており、ノーベル医学生理学賞の最有力候補と目されていた。
 数年前までPT装置による治療行為は禁止されていたが、千葉敦子は変装して夢探偵パプリカを名乗り、秘密裏に社会的重要人物らを多く治療し成果をあげてきた。
 今、精神医学研究所は彼らを支持する理事長派と、それを心良く思わない副理事長派に分かれて内紛状態にあった。理事長派の医師がPT装置使用時に不可解な精神疾患を発症するなか、時田の部屋から開発最終段階の超小型コードレスPT装置「DCミニ」が盗まれる。

 千葉敦子が封印していたパプリカによる治療を再開し、患者の夢に介入していく様子がおもしろい。
 アクセス制御機能をつけないまま悪用されるDCミニは、驚くべき影響をもたらす。読みようによってはあまりにも荒唐無稽で失笑を買いそうなくらい無茶なことが起こるのだが、DCミニ以前から行なわれている、記憶ディスクに記録された「分裂病」患者の夢を「敵」の脳に送り込むというえげつない行為の後では、荒唐無稽もホラーになる。被害を考えると、彼らへのノーベル賞授与は思いとどまるべきだろう。オバマ大統領に平和賞を送る拙速同様。

 この作品は、著者の断筆宣言直前の作品らしい。この作品が言葉狩り的に批判されたかどうかはしらないが、かなり過激であることはたしか。「分裂病」とは、今でいう「統合失調症」だろうが、患者の夢や行動の描写はこの病気への偏見を助長すると言われてもおかしくなさそう。
 女性誌に連載され、「男に都合のいい女性像」と批判されたそうだが、たしかに。男としてはうれしいキャラだし、楽しく読んだが、セラピストへの偏見もよびそう。

 ともあれ、映画『パプリカ』は去年みた映画のベストワンである。以前この文庫本を買ったときは、読まずに売ってしまったが、今回は映画のキャラクターを思い浮かべながらぐんぐん引き込まれた。

2010年1月25日 (月)

シネマにフォーリンラブ2

 2010.01.25
 24日深夜、ABCテレビで30分の映画番組「シネマにフォーリンラブ2」が放送された。若手お笑いコンピ、フォーリンラブの看板番組第二弾。
 数本の新作映画が女性アナウンサーのナレーションで紹介され、「天の声」がフォーリンラブの二人に裏話などを紹介する。また、「一分間のラブストーリー」と題した、映画の内容にからめたフォーリンラブのネタのコーナーが数本挿入される。
 こんな時間帯の映画紹介番組を録画してまで見ることは、これまでほとんどなかった。ABCラジオ「アシッド映画館」の平野秀朗氏が「銀幕親方」をやってたときでさえ、ほとんどチェックしてなかった。
 しかし、アシッド映画館が終了してしまった今、映画を語る平野氏に触れる機会はここしかない。
 そう、当番組の構成を担当し、エフェクトをかけているとはいえ「天の声」もつとめているのは、平野秀朗その人である。
 今回はそれに加えて、映画「交渉人」主演の米倉涼子・陣内孝則にインタビューもしているのだ(なにもここの声にまでエフェクトかけなくても、と苦笑)。
 しかもご両人にフォーリンラブの決めのギャクまでさせて、米倉涼子を恥ずかしがらせる暴走ぶりは、平野秀朗の健在ぶりをみせつけてアシッドリスナーを大いに満足させてくれる。
 ABCとの関係は良好のようだ。いつかまた、(エフェクトのかかっていない声で)映画を紹介する番組がABC(でなくてもいいが)で始まることを切に願う。

 ところで、スタッフ紹介欄で、「喜多ゆかり(ABCアナウンサー)」に続いて「平野秀朗(FFC)」とある。FFCって? ネット検索→「フラットフィールド」?

タイムリープ~あしたはきのう~

 こんなん作ってます。
 見てみてください。

2010年1月23日 (土)

SnowLeopardインストール

 2010.01.23
 アップルからSnowLeopardのDVDが届いた。上書きしようとしたら、Leopardの入っているパーティションは容量不足だと言う。わけがわからないが、別のパーティションに新規インストールすることに。ところがなぜか、インストーラ・パッケージなるものが山ほどコピーされただけで、SnowLeopardでの再起動にならない。そのパーティションを空にして、やり直し。
 今度は上書き出来た。
 しかし、ホームページ作成に使っているNetscapeComposerがおかしい。「英数」キーや矢印キーをさわるとdelete/backdelete状態になる。Command+Cすると、選択範囲が消去される(メニューバーから「コピー」すると、コピーできるのに)。
 この文章は、TextEditで書いて、コピーしている。
 ほかにも不具合出るのかもなぁ。

 出た。
 ファイルをアップロードするソフト「Fetch」が起動しない。
 Fetchのサイトで、FetchJb1をダウンロード。

 P.S.  小林繁さん、浅川マキさん、小隅黎さん、田の中勇さんのご冥福をお祈りいたします。

2010年1月18日 (月)

向日葵の咲かない夏(再)

 2010.01.18
 道尾秀介『向日葵の咲かない夏』について書いているサイト・ブログを見てまわる。その中で、サイト「黄金の羊毛亭」の同書についての「ネタバレ感想」がとても良く同書を分析していて、わかりやすかった。
 なるほど、そういうふうに考えれば、同書がいかに練り上げられた、仕掛けの見事な作品であったかがよくわかる。きっと、作者の意図は、それなのだろう。
 でもなんだか、著者が、彼らの悩みや社会の闇を描くより、読者を驚かせたいから書いてるだけなのかなと、不満に感じたりもする。私にとって『探偵ガリレオ』が、ハウダニット(いかに犯罪がなされたか)をおもしろく見せるために、登場人物に罪を犯させているように見えるのと同じで。
 それはさておき。あらためて考えてみると、生まれ変わったものたちを知覚しているのはミチオひとりだ。他人から見れば、彼の言うことはすべて、彼が考えたことだ(S君の告白でさえ、ミチオが無意識化で行なった推理に基づくものと言えなくもない)。つまり、彼の感じる世界では生まれ変わりは実在するのかもしれないが、他人には、それなしに説明がついてしまう。ミチオは幻を見ているのかもしれない。
 ミカはあれから一年後に死んでしまったという。それ以来ミカが生まれ変わっていないとすれば、それはミチオがもう、生まれ変わりを感じることが出来なくなった(その必要がなくなった)からかもしれない。家族は死の直前、再びひとつになれた。それを感じたミチオは、救いを得たのかもしれない。精神的逃避の必要がなくなったのかもしれない。
 P.S. ミチオって、道尾?

 小林繁さん、浅川マキさん、小隅黎さんのご冥福をお祈りいたします。

2010年1月17日 (日)

ほしからきたうま、ユニコーン・バリエーション

 2010.01.16
 大阪市の図書館で『ほしからきたうま』を検索したらあったので、書庫から出してもらった。
 これは私が小学校低学年の時に読んだ絵本で、おそらく私のSF原体験である。小峰書店発行の「創作幼年童話」の一冊で、作・小沢正、絵・二俣英五郎。以前どっかの図書館で検索したときは78年版しかなくて、それを出してもらったが、初版とは絵が変わってて、少しかわいい雰囲気になってて、物足りなかった。今回あったのは62年版(絵・二俣英五郎)で、昔読んだものだった。子供向けの絵ではあるが、ほんの少しごつごつしてて、話の内容から受ける不気味さにあっていた(あえて言えば62年版が藤子不二雄・A、78年版が藤子・F・不二雄、みたいな。いや、全然絵柄は違うけど)。

 小学校に入学した「ふうふう」君は、シンバルを鳴らすチンパンジーのおもちゃを買ってもらうが、チンパンジーはシンバルだけを残して夜の間に逃げてしまう。探しに出たふうふう君は、泣いている馬と出会う。その馬「うまのすけ」は遊園地で馬車を曵いていたが、今朝めざまし時計を盗まれ、遅刻して行ったら他の馬「シュバリエ」に仕事を取られてしまっていたという。いろいろあって、家に帰ると、そこにはふうふう君そっくりの偽物ロボットが入り込んでいて、お母さんに追い出されてしまう。これは一体?という話。

 馬がしゃべるという、子供心に違和感を感じた点は「幼年童話」だと笑って許すとして、偽物による侵略ネタや、夜のトンネルを抜けると昼間の草原が広がっているという、別世界への転移ネタなどが非常に衝撃的だった。それでも小学校のころは特にかたよりなく読書していたと思うが、中学校に入ったころからどんどんSF嗜好になっていった。その原点がこれ。

 他に「たんぽぽ娘」が入っている文春文庫『奇妙なはなし アンソロジー人間の情景6』が書架にあるはずなのだが、見あたらなかった。

 かわりに、未読だったゼラズニイ「ユニコーン・バリエーション」(チェス小説のアンソロジー『モーフィー時計の午前零時』所収)を見つけ、読む。ビールを飲む幻獣が楽しい。アンバーシリーズの煙草好きの王子たちみたいでゼラズニイらしい。

向日葵の咲かない夏

 2010.01.16
 道尾秀介『向日葵の咲かない夏』読了。小四の夏、僕は首を吊ったS君を目撃したが、大人たちが駆けつけたときには死体は消えていた。やがて僕の前にS君があらわれ、殺した犯人をつきとめてほしいと言い出した。
 一気に読んでしまった。引き込まれた。おもしろい。ある程度予想していたこともあるが、そこまで行くかと驚くこと多々。でも、次々明らかになる犯罪とイタイ日常に、気分はよくない。お勧めしない。

2010年1月15日 (金)

コイルズ

 2010.01.13
 『コイルズ』読了。ロジャー・ゼラズニイ&フレッド・セイバーヘーゲン共著。
 ドナルド・ベルパトリは恋人コーラを両親に引き合わせるため故郷へドライブするが、そこには、あるはずの実家も、両親もいなかった。自分の記憶に不完全なところがあることに気づいたドナルド。自分がかつてエネルギー関連の独占的企業アングラ社に属していたことを思い出したころ、彼の前からコーラが消える。彼女を捜す旅は自分自身を取り戻す旅となる。実はドナルドは、電脳世界を精神で行き来することのできる超能力者だったのだ。
 「コイル」という言葉とコンピュータがらみの話ということで、今さらアニメ『電脳コイル』との関連が気になり、再読したが、あまり関係なさそうである。他人のブログによると、制作者はゼラズニイに言及してないらしい。
 セイバーヘーゲンになじみがないのでわからないが、ゼラズニイの他の作品との類似は感じる。冒頭のピロートークは『わが名はコンラッド』。記憶喪失から始まる構成はアンバーシリーズ。謎の存在との対話は『砂のなかの扉』。ラスト一行は、いかにもゼラズニイっぽい終わり方。
 ストーリーは枝葉を取ると単純で、少々物足りない(そのあたりは『われら顔を選ぶとき』と同じ)。
 サイバーパンクの先駆けといえる電脳世界描写だが、電脳世界に生まれた知的存在というネタ(やりとりの一部が『攻殻機動隊GHOST IN THE SHELL』ぽい)に、初めて読んだ当時も新味を感じなかった気がする。なぜだろう? 先行作品があったっけ?
 ところで、アンはなぜ、ドナルドのかわりに自動販売機の商品を買えるのか? 自販機のマイコンもネットにつながってる? それとも、データスフィアかメタスフィア(@ダン・シモンズ)のようなものがある?

 P.S. 「ハンス・ラウクセル」と説明なしに出て来た人物名がわからず、ネット検索。トーマス・マン『魔の山』の主人公らしい。そういえばどっかに『魔の山』のことが書いてたっけ。一方、検索結果のなかに、「カストロプ・ラウクセル」の名前をみつけた。ドイツはルール工業地帯の都市らしい。ハイペリオンのあの星の名前は、ここからか。

2010年1月14日 (木)

アンドロメダ・ストレイン

 2010.01.12
『アンドロメダ・ストレイン』(DVD)。マイクル・クライトン原作の小説(邦題『アンドロメダ病原体』)は、かつて映画化もされたが(邦題『アンドロメダ・・・』)、こちらはリドリー&トム・スコット製作総指揮によるテレビドラマ(前・後篇)のようである。ピードモントの町の近くに人工衛星が落下し、町の住人がほぼ全滅する。アメリカ政府は科学者を研究施設ワイルドファイアに集め、原因解明と対策に乗り出す。
 『アンドロメダ・・・』は、“病原体”の謎解きの面白さと科学者の研究ドキュメンタリー的展開を楽しむ、単純な内容(密室劇だし)だった。その上予算がいかにもなさそうな地味な映像だった。『アンドロメダ・ストレイン』はそこに外部(政府、諜報機関、マスコミ、家族など)のドラマを加えて複雑になり、映像的にも今風にかっこよくなっている。
“病原体”もパワーアップしてワクワクさせるが、見た目は前作の、六角形が増殖していく不気味さとかっこよさのほうが好き。

2010年1月11日 (月)

SnowLeopard、Install DVDを読み込めません

2010.01.10
 SnowLeopard(ファミリーパック。5600円)を新規インストール開始。
 途中で「Install DVDを読み込めませんでした。注意してディスクを清掃してから、もう一度インストールしてみてください。」と出る。再度試みるが、同じ。(上書きも、別パーティションへの新規も)
 ネット検索したら「Apple Discussions」に同様のトラブルが多数報告されている。(8月下旬発売?直後かららしい)

2010.01.11
 サポートセンターに電話。「ディスクを清掃」うんぬんのトラブルを説明したが、パソコンのシリアルナンバーが手元になく、電話かけ直し。
 サポートセンターに電話。指示にしたがい(さっきの電話では、シリアルナンバー言ったらDVD送る手続きにすぐ入りそうな言い方してたのだが)、ディスクユーティリティの修復を実行→インストール(上書き)→15分ほどで「インストールに失敗しました。必要なサポートファイルをコピーできませんでした。再起動してインストールしてみてください」→再び「失敗」
 サポートセンターに電話。受付番号言ったら、あれこれ確認質問ののち(二番目の電話でも、DVD送る手続きにすぐ入りそうな言い方してたのだが)、「できればまず、HDをフォーマットしてみては」なんて言うので「無理です」というと「ではDVDを送ります。ついては、海外から来ますので2週間ほどかかります」とのこと。(今だに? しかも、雪豹も何も印刷されてない白地のDVDらしい)
 つまんな〜い。 

2010年1月10日 (日)

書店など

 2010.01.09
 古書店Aにて。『時間封鎖 上』百円歓迎、話題の本。『向日葵の咲かない夏』百円歓迎、話題の作家。
 書店Bにて。ペリー・ローダン新刊のイラストが、依光隆氏から工藤稜氏に変わった。依光氏の画風はそのままに、水彩画を油絵にしたような重厚感あり。今後に期待。  岩本隆雄が元気だ。『星虫』シリーズ合本や、『ミドリノツキ』加筆修正再刊など、気を吐いている。『猫の尻尾も借りてきて』の久米康之氏にもがんばって次回作をお願いしたい。
 古書店Cにて。『鉄腕バーディー 9・11』百円。『もやしもん 8』久々。『秘密 7』久々。『龍の七部族 1』百円歓迎。著者の自信を買って。『未来のおもいで』抽選したくて、これで千円越え。→商品券百円。
 カーラジオにて。わくわく土曜リクエストでテレビ『大江戸捜査網』の話題。テーマ曲が流れ(なつかしい!)西靖アナがお決まりのナレーションを朗読「隠密同心心得(中略)なお、死して屍拾う者無し」かっこいい! 『無限の住人』の無骸流って、絶対これの影響受けてると思う。
 スーパーにて。昨日テレビでダイエットにいいと言ってた寒天を探す。粉寒天発見。固まりの寒天もあったが、糸寒天は品切れだった。テレビ効果か? 

2010年1月 8日 (金)

メンソレータム

 2010.01.05
 かゆみと傷に効く薬といえば、メンソレータムでしょう、と、薬局でメンソレータムを手に取っておどろいた。傷には使うなと書いてある。横にあったメンタームを手にしてさらに驚いた。なんとこちらは、傷にもいいのだと。
 私はずっと、両者はたもとを分かって二つになった会社が、同じ薬を別の名前で売っているのかと思っていた。あるいは全然別の会社が、正露丸と征露丸を売ってるようなものかと思っていた。意外であった。

2010年1月 7日 (木)

トリックスターから、空へ

 2010.01.07
 太田光『トリックスターから、空へ』読了。どこかの月刊誌に連載していたらしい。各エッセイの最後に日付があるが、それが2004.01月から2006.10月になっている。その時々に著者が気になっている事を取り上げている。後書きで本人が、「ウンザリするほど同じことを繰り返し」書いていると言ってるとおり、テロとの戦いのことや政治のことが何度も取り上げられる。かならずしも主義主張に賛同するわけでもないが、いいこともいっぱい言っている。曰く、

 「民主主義とは国家の形態の中にあるのではなく、人間個人の中にあるのだ。」(軍国主義国の兵士が、捕虜を処刑する上官命令を拒否して罰を受けた話で)
 「この戦争はどちらかがどちらかを“皆殺し”にするということ以外終わる形のない戦争なのだ。」(アメリカの対テロの戦いについて)
 「日本国民を乗せた列車は、無理なスピードでカーブに差しかかっているのではないか。」(JR西日本の列車脱線事故と、テロとの戦いに賛同する日本をだぶらせて)
 「“日本人は絶対に人を殺さない”という意識。それこそこの国の誇りとして認識すべきだ。」
 「世界の親米国を自負する日本が出来る国際貢献とは、アメリカの戦争を支持することではなく、その単独主義を止めること、つまり世界の大半が反対している戦争をアメリカにさせないことではなかったか。」
 「満州事変も、大東亜共栄圏という思想も、当時はたしかに、まぎれもなく、“正義”だった。(中略)しかしその“正義”が招いたのが大量の殺人と大規模な混乱だったということは事実だ。また、アメリカによる空爆も原爆投下も“正義”だった。」
 「テロリストの目的は、この我々の“ルール”と“秩序”を暴力によって崩壊させることだ。(中略)「テロに屈しない」態度とは、ルール無用の暴力に対して、あくまでも“馬鹿正直に、愚直なまでにルールに則って対応する”という態度であり、その態度をとる勇気を持つことである。(中略)アメリカは「テロに屈した」としか思えない。」

 「遺体との会話と、生きた人間同士の会話と何が違うのか。」これは、通夜でご遺体に語りかける人を見た著者が、一瞬違和感を感じたあとで、これは一種の擬人化ではないか、ペットや物に語りかけるのと一緒ではないか、あるいは友達や恋人にさえ、人は自分の中のイメージを投影して“擬人化”してるのではないか、と、むずかしく考えすぎちゃう?と思うようなことを言っているのだが、「擬人化」ということばのチョイスはともかく、言いたいことはわかる。私もそう思う。

 「その感覚は、おそらく金というものに対する“恐れ”であろうと思う。」著者の奥さんは著者をマネジメントする社長でもある。奥さんは著者が実態以上に評価されると、怖いと思うらしい。商品価値に見合った価格が付くのをよしとするのがまっとうな商売人の感覚で、その感覚を失ったがゆえに、“村上ファンド”のあの人は、世間から反発を食ったのだと。もっともな意見だ。

 「この世界の流れは、全体としては“無秩序へ”の流れであるように見えるが、その中に確実に、“秩序へ”と向かう流れが存在する。それは生命の誕生であり、文明の構築であり、地球の進化だ。」ダン・シモンズ『ハイペリオン』などSFも読んでいるという著者の、SFマインドをくすぐられる言葉。光瀬龍『百億の昼と千億の夜』を思い出させる。

 芸人になるまでの話では、こんなやつが近くにいたら嫌だなあ、と思うような行状が語られる。ブラウン管ごしだから、結構好きな芸人である。
 「人間て死んだら時間になるんだと思わない?」と言う奥さんの話を、もっと読みたい。

2010年1月 3日 (日)

NetscapeComposer

 去年の後半に読んだ読書欄のリンクを作成した。なぜか『蟬時雨のやむ頃』だけ、うまくいかない。「リンクの場所」でリンク先のファイルを選び、その後に「#蟬時雨のやむ頃」と入力しようとすると、蟬以下がなぜか白くなる。いったんそうなると、別の文字を打ち込もうとしても、白く表示されるばかり。
 ホームページ作成ソフト「NetscapeComposer」を再起動したうえで、文字列をまったく別のものにしたら、ようやくリンクできた。
 文字列によって、ときたまこういうことがある。最新のソフトを買ってもいいのだが、マックでは選択肢が少ないし、今まで作ったページとの相性もわからないし、めんどうなので、当分 Composerで行くと思う。

2010年1月 1日 (金)

恭賀新春

 あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします。

 去年よかった本。
 1.八朔の雪 2.夜は短し歩けよ乙女 3.とろける鉄工所

 去年よかった映画
 1.パプリカ 2.ダークナイト 3.スラムドッグ$ミリオネア
(参照→アシッド・シネマ・グランプリ、ただし、今年はデータなし)

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