最近のトラックバック

« ほしからきたうま、ユニコーン・バリエーション | トップページ | SnowLeopardインストール »

2010年1月18日 (月)

向日葵の咲かない夏(再)

 2010.01.18
 道尾秀介『向日葵の咲かない夏』について書いているサイト・ブログを見てまわる。その中で、サイト「黄金の羊毛亭」の同書についての「ネタバレ感想」がとても良く同書を分析していて、わかりやすかった。
 なるほど、そういうふうに考えれば、同書がいかに練り上げられた、仕掛けの見事な作品であったかがよくわかる。きっと、作者の意図は、それなのだろう。
 でもなんだか、著者が、彼らの悩みや社会の闇を描くより、読者を驚かせたいから書いてるだけなのかなと、不満に感じたりもする。私にとって『探偵ガリレオ』が、ハウダニット(いかに犯罪がなされたか)をおもしろく見せるために、登場人物に罪を犯させているように見えるのと同じで。
 それはさておき。あらためて考えてみると、生まれ変わったものたちを知覚しているのはミチオひとりだ。他人から見れば、彼の言うことはすべて、彼が考えたことだ(S君の告白でさえ、ミチオが無意識化で行なった推理に基づくものと言えなくもない)。つまり、彼の感じる世界では生まれ変わりは実在するのかもしれないが、他人には、それなしに説明がついてしまう。ミチオは幻を見ているのかもしれない。
 ミカはあれから一年後に死んでしまったという。それ以来ミカが生まれ変わっていないとすれば、それはミチオがもう、生まれ変わりを感じることが出来なくなった(その必要がなくなった)からかもしれない。家族は死の直前、再びひとつになれた。それを感じたミチオは、救いを得たのかもしれない。精神的逃避の必要がなくなったのかもしれない。
 P.S. ミチオって、道尾?

 小林繁さん、浅川マキさん、小隅黎さんのご冥福をお祈りいたします。

« ほしからきたうま、ユニコーン・バリエーション | トップページ | SnowLeopardインストール »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/502963/47330733

この記事へのトラックバック一覧です: 向日葵の咲かない夏(再):

« ほしからきたうま、ユニコーン・バリエーション | トップページ | SnowLeopardインストール »