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2010年2月

2010年2月28日 (日)

読書いくつか&「用言をひらがなに」

 2010.02.27
『SFが読みたい! 2010年版』
 ベストSF2009・・・ベスト10では、海外篇5位の『ユダヤ警官同盟』しかよんでない。ペスト20までいれても、海外篇15位《プロバビリティ》三部作の一巻『プロバビリティ・ムーン』がふえるのみ。
 ゼロ年代SFベスト30でも、海外篇の15位『祈りの海』23位『エンディミオンの覚醒』24位『ハローサマー、グッドバイ』の3つだけ。よんでないなぁ。とりあえず、リストのなかで6冊は買ってもってるのだが、当面よみそうな気がしない。
 さて、ゼロ年代マイベストをかんがえてみる。・・・えらぶには、よんでなさすぎる。非SFも小説以外も映像もいれても、むずかしい。オールタイムベストならなぁ。

『Story Seller vol.2』
 人気作家七人の短篇を収録した、小説新潮別冊。最近文庫にもなっているが、古書店に105円で出てたので購入。
 ねらいは米澤穂信「リカーシブル——リブート」。長編ミステリの冒頭を短篇じたてで、とのこと。ミステリというほどの謎ときもなく、超能力をあつかっているとのことだがSFというほどのこともなく、長編がまちどおしいというほどでもない。出たら買うけどね。義理の姉弟のぎすぎすした関係に終幕でなにやら変化が? というあたりが、ちょっと気になるところではある。

『鉄腕バーディーEVOLUTION 1』
 あれから2年。つとむは受験浪人。姉は新入社員。バーディーは眠りつづけている。アメリカが月面探査計画を突然再開しオブラ・ガルテの残骸を発見。防衛省は「強化兵計画」を本格的に始動。
 単に掲載誌をうつしただけでなく、時間を経過させることで気分を一新し、その間に事態をおおきく展開させて読者のテンションをたかめ、起こっていたことを小出しにみせて興味をそそる。うまい。
 とはいえ、風呂敷はさらにひろげられたので、どうたたんでみせるのか、不安も少々。期待もたかまる。

『時をかける少女』琴音らんまる
 同名のアニメ映画の公開にあわせて描かれた漫画。以前よんだツガノガクによる『時をかける少女』が2004年。本書が2006年。どちらもおなじ「Kadokawa Comics A」ブランドで、映画公開が2006年。本書のほうが絵もストーリーも映画にちかいが、ところどころオリジナリティも出している。高瀬君がちょい役になってるのは、ほっとするが、どうやって自転車事故を回避したかは不明になっている。エピローグで和子をクローズアップしてるのは、このみではない。まあ、ツガノガク版よりは、かなりいい出来。

『エンパイア・スター』
 無知で単純思考の“シンプレックス”だったジョーが、ジューエル(宝石)を手にしたことから、さまざまな人々のみちびきのもと冒険し、“コンプレックス”をへて“マルチプレックス”へと進歩しながら銀河帝国の中心をめざす。
 なんでディレーニって、評価がたかいのかな? 物語はちゃんと起承転結してなくていらいらするし、複雑な構成はこけおどしにおもえるんだが。

 ところでこの文章、用言(動詞や形容詞)をなるべくひらがなで書くよう、こころがけた。というのは、日本語はいかにおぼえやすくできるか、という問題に関心をもっていて、最近みつけたサイトで梅棹忠夫氏の「用言をすべてひらがなにする」という提案をしったからだ。先だってよんだ『エスペラント——異端の言語』でも、大正時代の在日フィンランド公使ラムステットが日本語を、漢字さえなければ「世界でもやさしい部類に入る」といってたと紹介されているので、なんとかならないかとおもっており、梅棹案はつかえる、と感じたためだ。
 それでもところどころで用言を漢字で書いたのは、ひらがなだと違和感があったからだが、かなりの用言はひらがなでも大丈夫におもえた。

2010年2月21日 (日)

PJファーマー&ラルクアンシエル

 2010.02.20
 去年、フィリップ・ホセ・ファーマーが亡くなったが、彼の分身が2008年に亡くなっていたことに気づいた。
 といっても小説の中の話。リバー・ワールド『果しなき河よ我を誘え』に出てくる小説家ピーター・ジャイアラス・フリギットのイニシャルが作者と同じ(PJF)で、彼のエピソードも作者の実体験を反映しているとか。彼は2008年に人類滅亡とともに死に、リバーワールドで目覚める。
 ファーマーは分身よりは長生きしたわけだ。もっとも後書きによれば、2018年まで作家活動を続けると言っていたそうだが。続きはリバーワールドで、というところだろうか。
 ああ、去年気づいていればタイムリーだったのに。

 ラルクアンシエルのアルバム『KISS』をレンタル。機動戦士ガンダム00(ダブルオー)のテーマソング「DAYBREAK'S BELL」が欲しかった。他の歌は、興味ないせいか、似たり寄ったりに聞こえる。「DAYBREAK'S BELL」はメロディも歌声もいい。オープニングの映像と見事にマッチしてかっこよかった。なんといっても、ロックなメロディにピアノの音が決まっている!
 レンタルする前に、iTunesで探した。いいおとながアニメの歌なんて、はずかしくてレジに出せなくてあきらめていたこれまでの年月が、インターネットの進化で報われた。いい時代になったなぁ、と購入した「DAYBREAK'S BELL」は、なんとカラオケバージョンだった。ガックリ。歌バージョンは、iTunesにはなかったんだな、うっかりしてた。
 ところで「DAYBREAK'S BELL」の歌詞だが、「My wishes over their airspace.」ってどういう意味? 「彼らの空の向こうの私の希望」? 「My wish is over there airspace」の間違いじゃないのかなぁ? 「私の希望はあの空の彼方に」?

2010年2月17日 (水)

訃報など

 2010.02.17
 浅倉久志、死去。びっくりした。最近まで、訳書がどんどん出てたのに。でもけっこうなお年ではあったんだな。
 あと、ディック・フランシス死去。読んでないけど、競馬ミステリーで有名。作家系の訃報が続く。ご冥福をお祈りします。

 北野誠、謹慎がとけることに。ゆっくり助走されたし。歳も歳だし、暴走トークは控えて、楽しいタレント性を開拓してください。

2010年2月14日 (日)

『エスペラント——異端の言語』

 2010.02.13
 田中克彦『エスペラント——異端の言語』読了。
 人類の言葉はいつ、どのように生まれたか。“言語起源論”は「実証の材料をもたず、科学にならないから、近代科学としての言語学の対象とするのを禁ずる」とパリの言語学協会が宣言したという(1866年)。同様に協会は、新しい国際語を作ることも禁じたとのこと。
 1887年に生まれた国際語エスペラントは、このように言語学界における異端の言語であったが、民族や国家からの自由を求める人々の注目を集めることで、スターリンやヒトラーなど各国の政権ににらまれる異端性も持つことになった。
 本書では、そんなエスペラントが生まれるにいたるまでの、国際語、計画言語の試みや、エスペラント以後の試みのほか、エスペラントのアジアでの広まりを詳述しており興味深い。以下、気になった所を箇条書きにて。

○既存言語の簡略版(ベーシックイングリッシュなど)を憶えても、劣等感からいずれ純正言語を学ぶはめになる。ならばすべての既存言語から等しく距離をとった中立的言語が必要となる。
○19世紀には、言語は孤立語(中国語など)→膠着語(日本語など)→屈折語(英語など)の順に発達レベルが高いと考えられていたが、実際には、英語は屈折方式が弱まる傾向にあり、中国語は膠着方式(接頭辞や接尾辞を付けたり外したりする)に進もうとしている。エスペラントは屈折語や孤立語が向かおうとしている膠着語の「形態論的構造」を積極的に取り入れた計画言語である。
○子供は放っておくと不規則動詞を規則的に活用しようとする。つまり、take-took-takenを、take-taked-takedに。それは「誤ってはいるが規則的で体系的な形」なのである。
○「文法を単純化するときにまず参考にしなければならないのは中国語である。なぜなら、そこからはほとんど完全に形態論(名詞、形容詞、動詞などの別、また性、人称、時制などのカテゴリーによる変化表)が欠如しているからである。」「国際語の文法は中国語のようにもっともっと単純になりうる」
○オーウェル『1984年』の舞台、全体主義国家オセアニアで使われる言語ニュースピークは、ベーシックイングリッシュやエスペラントに対するあてこすりを含んでいる。
○1918年の日本の大学では、エスペラントで書かれた卒論が受け付けてもらえた。
○ラムステットは日本語を、「世界でもやさしい部類に入る」と言っている。しかし漢字を憶える時間の無駄が気になるようだ。
○大本教は1922年にエスペラントと出会って以来、世界的布教活動にエスペラントを使っている。
○ところで本書の本論とは関係ないが、田中氏の言葉遣いに気になる点が。「ランティの名は、何もかにも反対するのアンチ」とあるが、「何もかにも」は正しくは「何もかもに」では? でもこの言い方は、よく聞く言い回しでもある。73歳の著者が使うということは、相当古くからあるのだろうか?
○これまた雑学な話だが、大正時代の在日フィンランド公使ラムステットが宮中の宴で「興味を引かれたのは、『何百人もの身分の高い日本の軍人や高官たちが、』『食べ残した料理を布包みに入れて帰路に向う』光景であった。『老提督東郷元帥も自分の残した料理を布に包んだ』と記している」そうな。

2010年2月 8日 (月)

アバターその2

 2010.02.08
 『アバター』だが、見終わった時の感動と興奮にまぎれて忘れていたが、ひとつ気になることがあった。
 主人公は地球を裏切ることに苦悩しなかったのか。地球人兵士たちを殲滅することに良心の呵責を感じなかったのか。
 古代守だって、ガミラス人を滅ぼしたあとで、苦悩してた。最後のビデオ記録を撮る場面で、ちょっと苦悩のそぶりでも見せてくれたら、いうことなかったのだが。
 今日、パンフレット代わりに本を買った。『アバター 公式完全ガイド』1800円。序文で、これは「サバイバル・ハンドブック」だと宣言しているように、銀河系におけるパンドラ(実はアルファ・ケンタウリAを巡るガス惑星ポリフェマスの衛星)の位置、地質学的実態、気象や生態系、ナヴィの文化、それに地球から持ち込んだ武器や乗り物など、この星で生きていくうえでの注意事項がカラー図版満載で解説される。
 これはしばらく、楽しめそうだ。なんせナヴィ語辞典までついているのだ、たまりません。

2010年2月 7日 (日)

アバター

 2010.02.07
 映画『アバター』3D吹き替え版をみる。良!
 資源の枯渇に悩む地球は外宇宙の惑星に無尽蔵のエネルギー源を発見した。原住種族ナヴィと人間のDNAから「アバター」と呼ぶクローンを作り、そこに人間の意識を転移させてナヴィの調査を始めたが、開発を急ぐグループが侵略をはじめる。
 2Dでも充分迫力あるだろうと思いつつ、せっかくだし、と3Dに。画面に集中したいので当然吹き替え。
 昔、何かの映像(天保山でだったか?)を3Dで見た時は、ことさらに立体的になることを意識して撮影してるふうに見えたが、「アバター」は全然そんなことはない。今時のスペクタクル映画同様である。だから、普通に2Dでみてもすごいのだろう。でも、3Dの迫力は圧倒的だ。

 惑星パンドラの創り込まれた地勢、動植物の多様性と存在感、メカの本物らしさ。
 ドラマの無理のなさ。下半身不随の主人公がアバターにのめりこむのが非常に共感できる。アバターによる調査を性急にならずじっくり描いているのがいい。多様な生命の結びつきの深さに素直に感動し、それが失われることに、彼らと一緒になって危機を感じた。侵略する側の勝手さは、ちょっと「いかにも」過ぎるきらいはあるが、アメリカ保守派や中国当局がいやがるくらい、現実にありふれたことでもある。キャメロン監督、万歳。

 どこに出しても恥ずかしくないオリジナリティあふれる内容だが、いろんな映像作品を連想する場面も多くて楽しい。「ナウシカ」の腐海にトルメキア船団急襲、「もののけ姫」のコダマや、山犬にまたがって走る姿、「マトリックス」のジャック・イン、「ポカホンタス」の対立関係と顔だち(エラ張りとツリ目が…)、「エイリアン2」のパワーローダー、etc。
 人間とナヴィが似過ぎてるきらいあり(SF者でなければ、気にならないかも)。体型や、表情や、キスの仕方など。他の獣は六本足みたいだが、ナヴィは進化の系統が違う?

 人によるかもしれないが、私は「3D酔い」はしなかった。どっぷりひたって、堪能した。
 キャメロン監督はたしか、以前『レッドマーズ』を映画化するって言ってなかったっけ? …もうけっこうです。軌道エレベーター崩壊に匹敵するようなカタストロフも見せてもらったし、オリジナルでこんなすごいのをつくれるんだから、なにも既成の作品の映像化をしなくてもいいです。でも、気が向いたらハイペリオンシリーズは作ってほしいです。今ならすごいのができそうです。

 とにかく、もう一度見たい! DVDをレンタルしてこの映画をテレビ画面で見るなど、今のところ想像ができない。3時間にせまる長尺だが、終わってしまうのが名残惜しくてたまらなかった。

 今日は朝起きたら雪がつもっていた。「あ、映画に行こう」と初めてネット予約した。TOHOシネマズは劇場座席の空き具合が一目でわかり、ねらった座席をクリックして選んでから予約できるので分かりやすくて良い。(他所のは、残り座席数しかわからなかったり、支払い手続き完了後にしか席を選べなかったりする)ぜひ他の映画館も見倣ってほしい。

2010年2月 6日 (土)

横綱引退

 2010.02.06
 2月6日、読売新聞朝刊「編集手帳」全文引用。
「元横綱・大鵬の納谷幸喜さんが16歳で相撲界に入った当時の逸話が残っている。入門から1週間がすぎたころ、納谷さんは二所ノ関親方(元大関・佐賀ノ花)を部屋に訪ね、質問したという。「親方の名前は何というのですか?」◆あなたは誰ですか——と聞かれ、親方もさぞたまげただろう。その右も左も分からぬ若者を5年後には、品格を備えた堂々たる横綱に育て上げる。相撲部屋の親方とは本来、第一級の教育者を指す言葉に違いない◆本場所中に泥酔して暴力沙汰を起こした責任を取り、横綱朝青龍(29)が引退した◆賜杯は25度を数え、前人未到の7連覇、年間全場所制覇、〝一人横綱〟として土俵を守った功績、立ち合いの前に締め込みを叩く裂帛(れっぱく)の気合…その輝かしいすべてに泥を塗ったのは横綱本人としても、親方はどういう指導、監督をしてきたのだろう◆騒動のたびにあたふたするばかりの高砂親方(元大関・朝潮)は、「教育者」というよりも、所属タレントの不始末処理に頭を下げてまわる体格のいい芸能マネージャーのように見えた。「あなたは誰ですか」と、尋ねてみたいときがある。」
 大相撲界は大きな財産を失った。横綱の自業自得だ。親方にも暴力を振るっていたというが、本当なら、厳罰が遅すぎた。身内であるおかみさんへの暴力で辞めた双羽黒の前例もある。外部の人間への暴力ならなおさらだ。モンゴル国内では擁護論が多いらしいが、そのへんをわかってほしい。
 それにしても、親方だ。大事になる前に、教育的指導を徹底しておかなければならなかった。親方がしっかりしていれば。相撲協会が事なかれ主義に陥っていなければ。もっと活躍を見たかった。「編集手帳」、まったくそのとおりだ。
 外国人力士の存在が悪いわけではない。日本人力士が不甲斐ないのだ。ハングリー精神の有無からして、いたしかたがなかろう。
 ここで提言。体重に制限をつけよう。上限150kg。下限なし。身長制限なし。勝負に体重が物をいうのは、みっともない。力と技が見たいのだ。モンゴル相撲の力士の体型はすばらしい。ハングリー精神のない若者を引きつけるには、体重制限して見た目もかっこよく保つのは効果あると思う。

2010年2月 3日 (水)

最近買った本

 2010.02.02
 最近買った本(ただし、紹介したものを除く)
 『もやしもん8』5巻までは読んだ。『鉄腕バーディー9・11』あと読んでないのは6・8〜12・14〜16。ややこしい。『龍の七部族・完全版1』ファンタジーだけどSFっぽい。『未来のおもいで』梶尾真治の。『秘密7』清水玲子の。『エスペラント——異端の言語』新書。『月刊アフタヌーン3月号』萩尾望都が載ってたので。『狐と踊れ』時間物1本あり。『ブラフマンの埋葬』タイトルが気になってた。

2010年2月 2日 (火)

『LoveLetter』の構造について

 2010.02.01
 ブログの右下に出る、「検索フレーズランキング」をチェックするのが楽しみ。自分の書いた記事に関係あるものがいくつか表示されるので、当然興味のあるものばかり。昨日は「Love Letter」が出てたので、見てみたら、おもしろそうな論文が現れた。
 「『LoveLetter』の構造について」というもの。西南女学院大学人文学部人文学科の八尋春海さんが書いている。最後の図書カードが時を越えたラブレターだという。たしかに! 岩井俊二監督は、探偵!ナイトスクープにインスパイアされたんだって。びっくり。ネタ元は『フィルムメーカーズ 岩井俊二』(キネマ旬報社)。なんだ、持ってる。読んでないけど。もったいないなぁ、はよ読まんと。

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