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2010年5月19日 (水)

猫の尻尾も借りてきて

 久米康之『猫の尻尾も借りてきて』再読。
 復刊ドットコムでの復刊リクエストが百票まで残りわずかになったのを期に読み返す。
 東林工学の林研究室に勤める研究員、史郎。あこがれの同僚、祥子が殺され落ち込む史郎に、室長の林は・・・。
 タイムマシンで行って帰ってくるだけかと思いきや、どんどんややこしいことに。そんな時間物の醍醐味もさることながら、殺人事件の謎解きのおもしろさや、新製品開発時の社内の様子や技術面での描写も興味深い。
 彼女たちの状況を世間がどう受け止めるのか、物語の後が気になるところではある。追悼の描写がもう少しほしかった。

 ところで以前読んだ時にも気になったのが、「存在の環」。ある物がタイムマシンによって時間の中を永遠に巡り続けている謎。「エンジの服」はセンスオブワンダーなご愛嬌として片付けてもいいのだが、タイムマシン自体についてはちょっと再考してみたい。

 登場人物たちがラストで考察するところ、「存在の環」状態に陥ってしまっているタイムマシンがふたつある。犯人が使っているタイムマシンBと、エンジの服と行動を共にするタイムマシンC。この「存在の環」は、解消できるのではないか?

 完成したタイムマシンAで最初のタイムトラベルに出発した史郎が、研究室に戻ってきて林にAを渡すが、それを林が間違えて濡れた上着に入れれば、AはBのかわりに犯人を旅立たせる。やがて回収されたAがBとして林の手に渡り、濡れた上着に入れられ損ねて、第三の史郎のタイムマシンDと共に7/20午前0時へ。Dは引き出しの中へ入れられ、Bは96年から祥子のEを研究室へ戻す。BとDが7/20へ旅立つと、あとに残るのは祥子が史郎の机から持ち出したDすなわちE。

 う〜ん、エンジの服の中のCを、物語の描写を変えずに他のと取り替えるのは、無理なのかなぁ? まあこれもエンジの服同様、ご愛嬌にしとくか。・・・と、ここでTakemanさんの「猫の尻尾に触れてみる」を参照。・・・あ、そうか、史郎が渡しまちがえる可能性があったか。

 時間がないので、再考して後日書き込みたい。

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