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2010年10月12日 (火)

ここがウィネトカなら、きみはジュディ

 『ここがウィネトカなら、きみはジュディ』読了。
 SFマガジンの創刊50周年を記念する短篇集。大森望・編。

 「商人と錬金術師の門」テッド・チャン
 織物商人が教主(カリフ)に語る、〈歳月の門〉の物語。
 良。明らかにSFなのだが、体裁は千夜一夜物語的で、アラビアンナイトの一編だと言われても違和感がない。

 「限りなき夏」クリストファー・プリースト
 時を凍結された者達の〈活人画〉から、独り溶け出てしまった男の悲哀。
 『反逆の星』に幸福な例あり。

 「彼らの生涯の最愛の時」イアン・ワトスン&ロベルト・クアリア
 若き日の恋人に出会うため時を超える。
 コメディです。マックを使うのが、『ある日どこかで』っぽい。

 「去りにし日々の光」ボブ・ショウ
 光が通過するのに何年もの時間がかかる〈スロー・ガラス〉の物語。
 どっかで読んだな。どこだっけ?

 「時の鳥」ジョージ・アレック・エフィンジャー
 大金を積んで時間旅行した古代アレクサンドリアの風景は、なにか奇妙だった。
 それじゃ時間旅行と言い切れないのでは?

 「世界の終わりを見にいったとき」ロバート・シルヴァーバーグ
 パーティーの話のネタに、世界の終わりを見に行った人々は……。
 ずいぶん皮肉な現実逃避。

 「昨日は月曜日だった」シオドア・スタージョン
 月曜日の翌日、目覚めると水曜日だった。
 『タイムリープ』かと思ったら、『ビューティフルドリーマー』か『銀河ヒッチハイクガイド』かってノリ。

 「旅人の憩い」デイヴィッド・I・マッスン
 最前線で戦闘中のHは〈解任〉の通達を受け、時間の流れる速さの違う南方に向う。
 時間の速さのこととか名前の変化のこととか、ちょっと地獄騎行(ゼラズニイ)っぽい。

 「いまひとたびの」H・ビーム・パイパー
 戦場で死んだ主人公、少年の日に戻る。
 リプレイ物の元祖(編者調べ)らしい。

 「12:01 P.M.」リチャード・A・ルポフ
 お昼時の1時間をループし続ける主人公。
 これが原作の映画『タイムアクセル12:01』は、1日ループなので対策の取りようがあるが。

 「しばし天の祝福より遠ざかり……」ソムトウ・スチャリトクル
 1日ループするものの、意志に反して体がまったく同じ1日を演じ続ける悲劇。
 救いがない。

 「夕方、はやく」イアン・ワトスン
 朝起きたら中世に戻っていて、夜までには近代文明が勃興する、そんな倒錯した毎日を過ごす人々。
 これは逆ユービック?

 「ここがウィネトカなら、きみはジュディ」F・M・バズビイ
 さまざまな時代の自分自身を宿主として生きるタイムトラベラー。
 やっぱりこれがいちばん。

 というわけで、今日のところは、
 1.「ここがウィネトカなら、きみはジュディ」
 2.「商人と錬金術師の門」
 3.「旅人の憩い」
 かな。
            

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