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2010年11月23日 (火)

『ん 日本語最後の謎に挑む』『テンペスト 1』

 山口謠司『ん 日本語最後の謎に挑む』
 著者の妻はフランス人で、著者の発する「ん〜」という声をいやがるという。そのくせ口を閉じて「む〜」というのは、平気らしい。
 駅名などで「日本橋」(東京の)は「Nihonbashi」と表記されていることが多いが、欧米人は変だと言う。「Nihombashi」が正しいのだと。
 日本人にとって、「日本」は後ろにどんな音が来ようとも「にほん」だから「Nihon」と表記するのだが、欧米人は、後ろに来るのが「橋」か「人」かで「m」にしたり「n」にしたりするのだ。
 いったい、「ん」という文字はいつ出来たのか、そしてそれはどのように発音するものだったのか。
 古事記や万葉集、空海の持ち帰った仏典にさかのぼり、その後の本居宣長らの日本語研究をたどって、「ん」について解説した好著。

 池上永一『テンペスト 1』
 嵐の夜、琉球王国の孫家に赤ん坊が生まれた。第一尚氏王統を再興すべく待望した男子ではなく、父は落胆するが、その女児、真鶴は驚くべき聡明さを発揮し、性別を偽って科試に合格し、王宮に入る。清国と薩摩藩の間で翻弄される王国の、王宮内の諸勢力が対立するまっただ中、真鶴あらため孫寧温の活躍を描く。文庫本にして全四巻の第一巻。
 いや、大変読みやすいし、おもしろい。最近の沖縄の不遇(基地問題や尖閣諸島問題)もあって興味深く読んだ。
 おもしろいのだが、少々とまどっている。
 なんだ、この軽さは。平気で現代語を使っている。もちろん地の文でだが、アレルギーとかテーマとか言われると、ちょっと違和感が。その一方で、琉歌や候文を書きこなすほど深い知識を元に書いているものだから、もう少しその軽さをなんとか出来なかったのかと不思議。
 宮中の対立場面で「おな〜り〜」が続く場面では、これは笑うところか?ととまどい、とりあえず苦笑だけしておいた。この場面は、舞台ならおもしろいだろうが、小説としては稚拙というほかないのでは。(来年、仲間由紀恵主演で舞台化されるようなので、この場面が出てくるなら、笑いをとれるだろう)

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