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2011年1月

2011年1月31日 (月)

農業する粘菌

 1月25日の朝日新聞より。
 米ライス大学の研究チームが発表したところによると、「キイロタマホコリカビ」はエサとなる細菌が少なくなると、それまで別個に活動していた細胞が集まって数万細胞の集合体となり、エサの細菌を体内に取り込んで移動する。そして移動先で自分の胞子とともに細菌もばらまくらしい。
 これまでにアリやシロアリではキノコを育てる種が見つかっているとのこと。
 漫画『風の谷のナウシカ』以来、粘菌には興味津々で、南方熊楠のドキュメントも観たし、爆問学問(NHK『爆笑問題の日本の教養』)で扱ってたのもチェックした。実におもしろい生物だ。

2011年1月25日 (火)

燃費

 1月22日の朝日新聞夕刊から。
 自動車ユーザーから燃費データを収集し発表しているサイト「e燃費」というのがあり、去年3月に発表された低燃費ランキングによると、
 国産車
 1位:トヨタ・プリウス(21.7km/L/38.0km/L)57%
 2位:ホンダ・インサイト(19.2km/L/30.0km/L)64%
 3位:ホンダ・シビックハイブリッド(18.5km/L/31.0km/L)60%
 輸入車
 1位:フィアット・500(16.8km/L/19.2km/L)88%
 2位:フィアット・パンダ(14.3km/L/15.6km/L)92%
 3位:フォルクスワーゲン・ゴルフ(14.3km/L/16.4km/L)87%
(数字は左から、e燃費、カタログ燃費、カタログ値の達成率)

 だという。
 まず驚くのは、e燃費(利用者から送られてきた満タン法による燃費)だと、プリウスとインサイトがあまり変わらないこと。
 そして、輸入車のカタログ値が、実際の燃費とあまり変わらないこと。
 国産車のカタログ燃費が実際の燃費とかけ離れているのは、国交省の試験でいい成績が出るようにエンジンが調整されており、ドライバーも燃費が良く出るような運転をしているかららしい。

 そうなのだ。うちのプリウス(2代目)も、新車のころでも良くて22キロ、夏や冬には20キロくらいだった。高速を長距離走ってやっと26キロくらいだった。最近では、良くて20キロ、今冬の厳しい寒さの中では、16キロにまで落ちていた。
 どうせカタログ値だし、と当初からあきらめてはいたし、通勤距離も片道17キロでは短いのだろうなと好意的に考えていたし、だんだん燃費が悪くなってきた最近は、オイル交換が遅れがちだったりするからそのせいかな、なんて自分をセメテいた。
 だいたい、5分刻みで棒グラフとして表示されるその時々の燃費は、エンジンの冷えている運転開始直後ではたいてい10キロほどしかないのだ。通勤時間30分以内では、たいした燃費がでるわけがない。
 しかし、輸入車の数値を見ると、納得してる場合じゃなかったんだと目が覚めた。

 国交省は、4月以降、実際の走行に近い「JC08モード」という新試験をカタログに載せるよう、義務づけるらしい。
 いっぽう国連は、国際的な統一基準をつくるという。

 グラフを見ながら燃費運転する楽しさはあるのだが、「エコ」という言葉に踊らされず、よくよく考えて車を選びましょう。

2011年1月23日 (日)

『神様のパズル』

 機本伸司『神様のパズル』読了。良。
 SFというより青春小説? いや、青春小説半分、肘掛け椅子探偵風の科学読み物半分、SFのスパイス少々、といったところか。小松左京賞受賞。

 素粒子物理研究室に入ったK大理学部四年生の綿貫基一は、留年回避のためやむなく、教授に言われるまま不登校学生・穂瑞沙羅華の相手をすることになった。沙羅華は16歳。天才少女として幼い頃から世間の注目を集め、9歳のとき高出力加速器「むげん」のアイディアを発表。飛び級でK大に入学していた。ひょんなことから基一が問いかけた「宇宙は人間に作れるか」という疑問に触発された沙羅華が、突然ゼミに現れ、「宇宙のつくり方」を研究テーマとして提案する。

 交わされる科学論議の半分も理解してないとは思うが、うわっつらを眺めるだけでも楽しい。(推理小説でも、いちいち探偵の推理を検討しない私) 落ちこぼれの主人公に教えるていで、読者にもわかりやすい解説がなされる。
 無愛想な沙羅華と、基一たちゼミ生や教授たちとのぶつかり合いや、沙羅華の宇宙シミュレーション、高齢の聴講生、「むげん」の土地買収のため教授が基一に指示した田んぼでのバイトなど、いろいろな出来事を、基本的にはコミカルなタッチで描きつつ、就職活動に苦労する基一や何かに思い悩む沙羅華など、青春の影の面もそれなりにおさえている。
 最後には、「基一は就職/卒業できるのか!?」という大問題(?)もふっとぶような大事件も用意されつつ、日常の問題にきちんと解決が出される良心的な作品。
 「28年度」とあるので、平成28(西暦2016)年の設定だろう。

 表紙絵は、ライトノベル系だがあまりデフォルメされてないリアルな造形の、少しアニメ調の男女2人。地味な色調のこれに惹かれたのはたしかだが、沙羅華のキャラとしては、「ノーブラ・スカートちらり」は余計。

 映画化されてる? 知らんかった。


2011年1月22日 (土)

『The S.O.U.P.(ザ・スープ)』

 川端裕人『The S.O.U.P.(ザ・スープ)』良。
 かつてオンラインRPG「The S.O.U.P.」を共同開発して世界的にヒットさせ、今はたもとを分かってネットセキュリティ業務のコンサルティングを行なう周防巧のもとを、経産省商務情報政策局の小杉礼子がおとずれる。ハッキング対応の依頼だった。経産省のHP掲示板への悪質な書き込み、HPの書き換え、そしてメッセージ「ネットの秩序は、ネットより生まれる。あらゆるネットワークの規制にわれわれは反対する——EGG」。
 相次ぐハッカーの死。日本を広範囲に襲うサイバーテロ。巧と「The S.O.U.P.」を共同開発した二人、繁雄・光のその後。
 『指輪物語』や『ゲド戦記』から多くのインスピレーションを得て構築された「The S.O.U.P.」の世界。久しぶりにそこを訪れた巧は、緑豊かで人々の喧噪にあふれていたその世界が、いたるところで荒廃していることに愕然とする。
 EGGの目的はいったい何なのか。

 オンラインはおろか、パソコンでRPGをしたこともない私にとっても、「The S.O.U.P.」は魅力的だ。旅してみたいと思う。
 分身(アヴァター)がNPC(ノン・プレイヤー・キャラクター)というディーモン(常駐プログラム)として、自分がログインしてないときでも活動してるというのは、現実のオンラインRPGでも在るのかな? おもしろい。それがもし勝手に生活してるとなると、なおおもしろい。そのあたりの可能性が、トム・レイのティエラを例に挙げて語られている。

 ちらりと描かれているネットいじめの様子は生々しい。ネットにしか居場所のない統にとってさぞ恐ろしいことだろう。そうでもない者にとっても、知らないところでやられていると思うとぞっとする。

 ディーモンって、『ライラの冒険』で主人公に付き添ってた小動物と同じかな? ゼラズニイの「君のデーモンを信用したまえ」のデーモンと、イメージが近そう。
 影山徹の表紙がすばらしい。


2011年1月21日 (金)

古書店にて

 古書店にて。
 『神様のパズル』小松左京賞受賞。
 『紙魚家崩壊』北村薫で百円で。
 『優しい煉獄』生物学的には死んだ者たちの暮らす電脳世界で起こる事件と推理。
 そろそろまた古書店回り封印だなぁ。

2011年1月20日 (木)

『ノーマン・ロックウェル』

 カラル・アン・マーリング『ノーマン・ロックウェル』読了。良。
 20世紀初めから70年代にかけて、アメリカで活躍した画家、ノーマン・ロックウェルの評伝。図版たっぷり。
 「サタデー・イブニング・ポスト」誌の表紙絵を中心に、古き良きアメリカの、わんぱく少年や思春期の少女、こっけいな大人たちなどを多く描いた。
 日本でも二度ほど展覧会が開かれており、NHK「日曜美術館」でも特集された。私も大阪に見に行って、たいへん感動した。売られている図録や画集をあれこれ眺めて、一番欲しいものを買うお金がなくて、翌日出直したのだった。
 その時買った『NORMAN ROCKWELL'S PEOPLE』は、数々の名作はもちろん、その絵を描くために撮影された写真もたくさん掲載されている。とても興味深い内容のようなので、いずれ読みたいと思いつつ、なにぶんにも英語なので気軽にはいかない。
 今回買った評伝は翻訳物で、『NORMAN ROCKWELL'S PEOPLE』を読むための予習になればとの期待もこめて購入。
 お気に入りの絵は、「ソーダ屋さん」「ちょっと休憩」「シャッフルトンの理髪店」「食前の祈り」「家出」など。
もちろんこの本に載っていない名作もたくさんある。
 このあたりにいくといくつかの作品が見られるので、ぜひどうぞ。

 検索したら、去年には東京は府中市で展覧会が開かれていたらしい。いいなぁ。


2011年1月17日 (月)

古書店にて

 古書店にて。
 上田早夕里『華竜の宴』発見。1050円。上田さん、新刊でなくてすいません。だってこの辺の本屋に置いてないんだもの。
 他に外山茂比古『思考の整理学』百円棚へようこそ。

2011年1月16日 (日)

『光を忘れた星で』

 八杉将司『光を忘れた星で』読了。まあまあ。
 地球からの移住者たちがなんらかの原因で視覚を失い、目の見えないまま、独自の社会を築いている星。人々は通過儀礼として、幼少時に眼球をくりぬかれることになっていた。
 都市で科学的な視覚回復の研究が行われるいっぽう、地方のある集落では、少年たちが、心眼をきたえる訓練をうけていた。
 視覚のない人類社会は、どのように成り立ちうるのか。はたして人類は視覚を取り戻せるのか?

 昔ドキュメンタリーで、盲人のコミュニティ(いち家族?)が紹介されていて、けっこう不自由なく生活していたのだが、手術で子供の視力が取り戻せることになったとき、年配の人が複雑な思いを語っていた。せっかく出来上がっているこのコミュニティがくずれてしまう、というような。
 それを壮大なスケールで展開したような物語。実験的で、なかなかおもしろい。

 この本はちょうど一昨日、上田早夕里らがツイッターでほめていたのだが、昨日たまたま本屋で見つけて気がついて、買ってしまったのだった。上田早夕里の『華竜の宴』はいまだに見かけないのに。
 なかなか上田早夕里ごのみな話だった。

2011年1月14日 (金)

MacBook負傷

 MacBookの一部に「さかむけ」が! どこでひっかけたんだろう? ショック!

2011年1月13日 (木)

最近買った本

 最近買った本(すでに感想を書いてるものを除く)
 『ノーマン・ロックウェル』図版いっぱいの評伝(「展覧会の図録」的)。タシュケン社ニュー・ベーシック・アート・シリーズの一。ロックウェル大好き!(これのみ新刊本)
 『算法少女』二百年前、江戸に算法の得意な少女がいた、という話。文庫古書なれど五百円。
 『じゃじゃ馬グルーミン★UP! 1』まあ、ゆうきまさみということで。

2011年1月11日 (火)

『かもめ食堂』『サウンド・オブ・ミュージック』

 映画『かもめ食堂』(DVD)まあまあ。
 フィンランドのとある街で小林聡美の始めた食堂。客のいっこうに来ないその店に、日本文化オタクの現地の青年や、片桐はいりや、もたいまさこが、ぼちぼちと寄り集まってくる。
 なにも大したことが起こらないのに、退屈もせず楽しく観られた。
 もたいまさこ、『三丁目の夕日』でばあさん役が板についてたが、ここではすっかり若返っててびっくり。

 映画『サウンド・オブ・ミュージック』(TV)良!
 はじめてちゃんと観た。オープニングのテーマソングからグイと引き込まれた。何十年も前の映画なのに、映像も音楽もすばらしい!
 ミュージカルならではの展開の早さや大げささはあるが、問題ない。

2011年1月 9日 (日)

『無限の住人 26』『ハルシオン・ランチ 1』

 沙村広明『無限の住人 26』読了。
 江戸城での大立ち回りのあと、常陸へと先行する阿葉山たちに合流しようとする、逸刀流党首・天津影久。だが宿場で借りるはずの馬は何者かに全頭屠殺されていた。
 一方、阿葉山一行に追いついた吐鉤群(はばきかぎむら)率いる六鬼団を、逸刀流の一人・果心居士が罠を張って待ち伏せる。
 もういつ終わってくれてもいいのだが、おもしろいので読んでしまう。尸良が死んだので、安心して読める。
 
 沙村広明『ハルシオン・ランチ 1』読了。
 経営していた会社が、資金を持ち逃げされて倒産し、リヤカー曵いて生活している男・化野元。彼の前に突然現れた少女・ヒヨスは、彼のリヤカーと、彼らにからんできたチンピラ2人を食べてしまった。チンピラの仲間の女・メタ子と元、ヒヨスの三人の珍道中を描くシュールなSF?
 『おひっこし』的なノリで苦笑しながら読める逸品。突然の岸部シローにワロタ。

ココログのブログネタ投稿「今年はじめてのイイコト」

ブログネタ: 2011年、今年初めてあった“いいこと”は何?参加数拍手正月3日に、環天頂アークを見たことです。気象現象で、数ヶ月に一度くらいしか見られません。
今回は、太陽の少し上にまず日暈(ひがさ、にちうん)が出ていて、そこからさらに同じくらい上に環天頂アークが見えました。どちらも、虹のような現象です。
次はぜひ、まだ見たことのない環水平アークをみてみたいです。(映画『虹の女神』参照)

2011年1月 5日 (水)

『折れた竜骨』ふたたび

 『折れた竜骨』ふたたび。
 あれ、ナウシカ? あれ、スターウォーズ? とも思ったことはさておき。
 北村薫の《円紫師匠と私》シリーズで、日常の雑多なあれこれが描かれるなか、突如推理がはじまることがよくあったが、あれは違和感なかった。それはたぶん、推理の部分で筆致が変わらなかったからだと思う。
 逆にいうと、米澤穂信の場合、文体が変わった気がするから、違和感あるんだと思う。
 考え事をするとき、日本人は日本人の思考法で考える。マサイ族はマサイ族の、平安貴族は平安貴族の、火星人は火星人の思考法で。
 でもファルク・フィッツジョンは、推理をするとき現代人になってしまっている気がする。
 それはたとえれば、映画『コナンザグレート』が、ハリウッド俳優のコスプレにしか見えなかったのと同じかもしれない。(いや、全然ちがうかも)

2011年1月 4日 (火)

米澤穂信『折れた竜骨』

 ジョン王がまだ、リチャード獅子心王の弟殿下だったころ、イングランドの東にあるソロン島で、領主ローレント・エイルウィンが殺された。彼を殺したのはトリポリ伯国から追われる暗殺騎士だという。領主の娘アミーナは、暗殺騎士を追ってきたトリポリの聖アンブロジウス病院兄弟団の騎士ファルク・フィッツジョンに、犯人探しを依頼した。
 ・・・と、赤影のオープニングを意識して粗筋を書いてみました。
 時は12世紀の北海。実際の歴史的背景のもと、魔術や呪術が身近にあるという設定で、犯罪が行なわれ、それを解明していくという、ミステリー小説になっている。
 おもしろくて引き込まれるのだが、登場人物が推理をはじめると、なんか興ざめしてしまうのは、この人の他の小説でもあった。もう少しさりげなくミステリできないものか?
 2001年に構想をはじめたという本作は、もともと「剣と魔法」の「ハイ・ファンタジー」な世界を舞台にした話だったという。変更して正解だったと思う。焦点がもっとぼけてしまっていたに違いない。『ボトル・ネック』でさえ木に竹を接いだような違和感があるのだから。
 著者がリスペクトしているのは、同時代を舞台にした「修道士カドフェル」シリーズだそうだが、たぶん違和感なく書かれているのだろうな。
 あれ、鋼の錬金術師? あれ、パイレーツオブカリビアン? みたいな、ニヤリとしていいのかどうかわからない、パクリのようなオマージュのような部分もあったが、ともあれ面白かった。彼らの後日譚を、ぜひ。

2011年1月 3日 (月)

環天頂アーク

 今年はじめての、日暈(にちうん、ひがさ)&環天頂アーク!
 日暈は、太陽の上、1パー(腕を突き出して、手のひらを広げたときの、親指の先から小指の先まで。汗(はん)造語)のところに短く。環天頂アークは、そのさらに上1パーのところに、やはり短く。
 どちらも上が紫で下が赤だったと思う。環天頂アークだよね? タンジェントアークとかじゃないよね? よくわからんが。
 (午後2時ごろ@精華町、京都府)
 友人にメールしたら、彼の地では昼頃、環水平アークが見えたという。くそ〜、見たかった。
 
(2011.01.09記)

2011年1月 2日 (日)

謹賀新年

 あけましておめでとうございます。
 本年もよろしくおねがいいたします。

 去年よかった本。
 1.The S.O.U.P.(ザ・スープ)  2.今朝の春 3.神は沈黙せず

 去年よかった映画。
 1.アバター 2.ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 3.サマーウォーズ

 去年注目した科学ニュース
 1.人工生命への一歩?(実在する細菌のゲノムをコンピューターにデータ化したのち、そのデータを元にゲノムの断片を化学合成して、ほかの細菌に移植したら、その細菌が元の細菌のタンパク質をつくるようになった)
 2.ヒ素を食べるバクテリア発見
 3.小惑星探査機はやぶさ帰還

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