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2011年1月22日 (土)

『The S.O.U.P.(ザ・スープ)』

 川端裕人『The S.O.U.P.(ザ・スープ)』良。
 かつてオンラインRPG「The S.O.U.P.」を共同開発して世界的にヒットさせ、今はたもとを分かってネットセキュリティ業務のコンサルティングを行なう周防巧のもとを、経産省商務情報政策局の小杉礼子がおとずれる。ハッキング対応の依頼だった。経産省のHP掲示板への悪質な書き込み、HPの書き換え、そしてメッセージ「ネットの秩序は、ネットより生まれる。あらゆるネットワークの規制にわれわれは反対する——EGG」。
 相次ぐハッカーの死。日本を広範囲に襲うサイバーテロ。巧と「The S.O.U.P.」を共同開発した二人、繁雄・光のその後。
 『指輪物語』や『ゲド戦記』から多くのインスピレーションを得て構築された「The S.O.U.P.」の世界。久しぶりにそこを訪れた巧は、緑豊かで人々の喧噪にあふれていたその世界が、いたるところで荒廃していることに愕然とする。
 EGGの目的はいったい何なのか。

 オンラインはおろか、パソコンでRPGをしたこともない私にとっても、「The S.O.U.P.」は魅力的だ。旅してみたいと思う。
 分身(アヴァター)がNPC(ノン・プレイヤー・キャラクター)というディーモン(常駐プログラム)として、自分がログインしてないときでも活動してるというのは、現実のオンラインRPGでも在るのかな? おもしろい。それがもし勝手に生活してるとなると、なおおもしろい。そのあたりの可能性が、トム・レイのティエラを例に挙げて語られている。

 ちらりと描かれているネットいじめの様子は生々しい。ネットにしか居場所のない統にとってさぞ恐ろしいことだろう。そうでもない者にとっても、知らないところでやられていると思うとぞっとする。

 ディーモンって、『ライラの冒険』で主人公に付き添ってた小動物と同じかな? ゼラズニイの「君のデーモンを信用したまえ」のデーモンと、イメージが近そう。
 影山徹の表紙がすばらしい。


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