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2011年2月 5日 (土)

『東京・自然農園物語』

 山田健『東京・自然農園物語』読了。良。
 格安アパートの家主が死亡し、遺言書を持った顧問弁護士が訪れる。なんと家主は、四人の住人を四千坪の農地の相続人に指定しているというのだ。
 ただし、むこう五年間は完全無農薬有機農業をすべし、ひとりたりとも脱落せぬこと、等々という厳しい条件つきで。
 売ればひとりあたま30億円にはなろうかという都会の一等地相続の話に、とまどいながらも乗る四人。はたしてそのなりゆきは?

 それぞれに仕事や学業を抱えた四人は、とりあえず「何もしない農法」というのをやってみようと意見が一致。草ぼうぼうの畑、肥だめ、ため池、雑木林、竹林などのある広大な土地を見て回り、最低限しなければいけないことを考える。
 土日を利用して作業をするうちに、いろんなことに気がつく四人。草はかならずしも雑草ではない。肥だめはただの排泄物置き場ではない。雑木林は単なる複数の木ではない。
 土地から収穫されるさまざまなモノを試食するシーンはヨダレもの。
 直売所を作って作物を並べて起こる冗談のようで有り得る出来事。
 いろいろな知識が、軽いノリで、しかしけっこう奥深く紹介され、興味深い。
 学生、コピーライター、スナックのママ、ヤクザ会社員という面々がそれぞれの持ち味をだして、おもしろおかしく話を展開していく。
 時代設定がバブル崩壊直前ということで、当然何かが起こるんだろうなと予想しながら読むと、実際わすれたころに話にからんでくる。どうからんでくるかが見どころ。


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