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2011年3月

2011年3月31日 (木)

今月の落ち穂ひろい

 ゆうきまさみ『鉄腕バーディーEVOLUTION 7』神祇庁の特殺官の襲撃を受けた浄火学館。クリステラ・レビを生きたまま逮捕すべく火之宮水晶を保護しようとするバーディーに、レビが語る連邦での日々。
 安彦良和『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN 22』ひかる宇宙編・後編。シャア、ギレンに直訴しジオングを得る。セイラ、ア・バオア・クーに潜入。キシリア、ギレン討伐。ガンダムの最期。ギレンって、そんな最期だったっけ? それはともかく、セイラが意外な展開に。
 『SFが読みたい! 2011年版』去年のベスト20で読んだのは、国内1位『華竜の宮』と国外5位『ここがウィネトカなら、きみはジュディ』の2冊。裏表紙の「過去20年のベストSF」では、読んだのは『バベルの薫り』『ヴィーナス・シティ』『タウ・ゼロ』『パプリカ』《ハイペリオン》2部作『タイム・シップ』『エンディミオンの覚醒』『祈りの海』。読みかけてやめたのは『アド・バード』『シェイヨルという名の星』『ライトジーンの遺産』『火星夜想曲』『クリスタル・サイレンス』『宇宙消失』。買ったけどまだ読んでないのは『フィーヴァードリーム』『永遠の森 博物館惑星』『あなたの人生の物語』『虐殺器官』『時間封鎖』。約半分にはタッチしたってことだな。
 冬目景『羊のうた 1』最近食欲がなく貧血気味の高校生、高城一砂。おじ夫婦に預けられたあと無人となったはずの実家を再訪し、姉と再会する。姉は一砂に冷たく言う、高城は吸血鬼の家系だと。
 浦沢直樹『BILLY BAT 1・2』アカ狩り狂乱時代のアメリカ。連載中の漫画のキャラクターを刑事に「日本で見た」と言われ、訪日するケヴィン。彼がそこで出会ったものは? いろんなエピソードが語られ、興味をそそられるが、まったく話が見えない。ちゃんとオチるんだろうな?


2011年3月21日 (月)

『アイの物語』

 山本弘『アイの物語』(2006)読了。良!
 AIが人類より優位に立つようになって数世紀。AIに抗戦しながら生きる人類の、町から町へと旅しながら、物語を語り歩く男が、ある日アンドロイドに捕らえられた。
 AIの語る「歴史的事実」を拒否する男に、アイビスと名乗る女性型アンドロイドは「真実を語らないと誓う」と言って、人がつくった架空の物語を夜な夜な聞かせる。

 「宇宙をぼくの手の上に」ネット上で宇宙船セレストリアルの乗員となって疑似冒険に興じる、創作小説サークルの主催者であるななみのもとに、刑事がやってきた。「乗組員」のひとりが、現実社会で殺人を犯したというのだ。
 「ときめきの仮想空間」仮想空間の書店でアバターを使って立ち読みをしていた水海は、男の子のアバターにナンパされる。
 「ミラーガール」母を亡くして部屋にこもりがちな麻美に、父がプレゼントしてくれたのは、鏡台型のゲーム機。鏡の中にはシャリスという名のお姫様が住んでいた。
 「ブラックホール・ダイバー」銀河の果てのブラックホール観測施設〈イリアンソス〉のもとを、久しぶりに宇宙船が訪れる。〈イリアンソス〉の制御コンピューターは、外部端末であるアンドロイドで客を出迎える。
 「正義が正義である世界」学校へいく準備におわれる彩夏は、長年のメル友である冴子からメールを受け取る。冴子はこう打ち明けていた「実は私はあなたの世界の住人じゃないの。いま私の世界は滅亡の危機に直面している」。
 「詩音が来た日」神原絵梨花の勤める介護老人保険施設に、介護用アンドロイド詩音が試験配備され、絵梨花が指導することになる。
 「アイの物語」仮想空間でのロボットバトル用にプログラムされたTAI(真のAI)アイビスが、現実世界にボディを手に入れ、人類に「反逆」するまで。
 
 著者が1997年以来あちこちに単発で書いた短篇を集め、そこに書き下ろしを加えてひとつにまとめたロボット・AIテーマの作品集。
 アイビスが収集したという設定で男に語られる物語は、21世紀初頭のネットコミュニティから未来の宇宙空間まで、いろいろな時代背景のもと、社会のありかたや、AIの可能性について、深い考察が織り込まれている。
 現実をレイアー0、バーチャル空間をレイアー1、レイアー2などと呼ぶ考えかたが面白く、物語にも大きく関わってくる。
 どの短篇を書いたころに、それを一冊にまとめる構想を持ったのだろうか、個々の作品がじつに見事に融合している。
 逆に言えば、著者は常にそれを考え続けていると言えるだろう。ロボットや人工知能のことを。事実ではないけれど正しい物語のことを。 
 解説の豊崎由美氏が力強く語る「山本弘は本気だな、本気で、今在る世界を変えようとしているんだな、物語の力で」という言葉で、『詩羽のいる街で』ががぜん読みたくなった。

2011年3月19日 (土)

与勇輝展

 大阪高島屋、「昭和・メモリアル 与勇輝展」に行く。
 身長30センチほどの魅力的な人形を作る作家、与勇輝(あたえゆうき)の展覧会。「新作57点に代表作をあわせて100余点を一堂に」とのこと。
 いきなり最初の一角に展示された「昭和天皇陛下」と「マッカーサー元帥」に度肝を抜かれる。
 そのあとは、いつもの作家らしい、子供たちを多く扱った作品が並ぶ。ただし、戦中や終戦直後の設定の作品は、シリアスなものが多い。
 時代が下るにつれ、ユーモラスなものが増える。特に男の子たちは、しぐさも顔もコミカルなのが多い。少女は、けなげでかわいいのが多い。
 「面映(おもはゆ)」は、チケットに写真が使われるなどしているだけあって、とても魅力的。正座した着物姿の少女の物思いにふける(あるいは、ぼうっとした)表情が、可愛く美しい。場内で流されている製作過程を紹介するビデオで出てきたのはこの作品だったかと思うが、作者が彼女に着せる着物をあれこれ選んでいる場面は、見ていてちょっとはずかしかった(邪念)。
 携帯電話を操る少女の人形があって、驚いた。与勇輝らしくなくて、意外。
 新作だけで57点だなんて、その精力的な仕事ぶりには驚かされる。
 ほかに、さだまさしのアルバム『家族の肖像』で使われていた作品とか、映画『ぽっぽや』で使われていた「雪子」とか、電車の座席に座ったシリーズとか。
 ユーモラスな子供たちに、ノーマン・ロックウェルに通じるものを感じた。
 そういえば与勇輝がNHK教育テレビで「人形をつくる」の講師を務めたのも、ロックウェルの展覧会が開かれNHK「日曜美術館」で紹介されたのも、同じ頃(20年ほど前)だった。
 840円でカレンダーを購入しました。
 3月21日まで。
(→河口湖ミューズ館(与勇輝館)。「作品紹介」が充実しています)

スタジオジブリ

 知らないうちに、スタジオジブリが新作映画を作っていた!
 しかも『コクリコ坂から』! 昔『出発点』で知って、1巻だけ読んだ。
 しかも宮崎悟朗監督! 脚本・宮崎駿。なら大丈夫だ。
 しかも今夏公開! いつのまに? 
 えっ、『赤毛のアン グリーンゲイブルズへの道』も別途公開!? すごーい。

2011年3月18日 (金)

『華竜の宮』その3

 『華竜の宮』承前。
 太平洋で海底隆起するということは、地球の重心がずれるだろうな。
 ということは、環太平洋地域では海抜260メートルより高い位置まで海面が上昇することになるのかもしれない。
 ならば「日本群島」もありうるかも。

2011年3月17日 (木)

今日

 円高進行、一時76円台。
 福島原発いまだ冷却進まず。

『華竜の宮』

(承前)
 SFではよく、ひとつの大ボラをつくために、それ以外の事柄をとことんリアルに構築し描写するという手法がとられる。
 『華竜の宮』には、ふたつの大ボラがあると思う。
 ひとつは天変地異。これをリアルに見せるため、地質学等の裏付けを徹底的にしているし、社会の変化、国家の対立なども、リアリティをもって描かれている。

 もうひとつは、遺伝子操作。海の面積が白亜紀(クリティシャス)に匹敵するほど広がる「リ・クリティシャス」と呼ばれる時代の到来に備えて、人類の生存のためあらゆる生物の遺伝子改変を許可するという「世界法」が制定され、「魚舟・獣舟」の世界への伏線となる。
 こちらの設定は、リアリティというより、荒唐無稽といえる展開を呼ぶ。
 なにしろ、海面上昇後の混乱のなか、プログラムされた人工生物が、流入する避難民を殺戮するのだ。そしてその後いったん安定した世界では、海上民は、ヒトと魚舟の双子をはらむのだ。
 むしろ、こちらの大ボラが作者のメインテーマであって、天変地異はそれを実現するための道具立てだと言ったほうが正確だろう。

 しかしプロローグの学術会議でのまじめな展開では、このまま『日本沈没』的なハードSFが最後まで展開するのかと思わせられ、それはそれでわくわくしていたのだが、数ページで話は怒濤の展開を見せ、あっというまに激動のまっただ中に放り込まれた。そういうのもきらいじゃないので、非常に楽しかった。(大原まり子の「一人で歩いていった猫」のエンディングをほうふつ)。

 それにしても、物語の根幹をゆるがす疑問があるのだが、そもそも遺伝子改変して別の生き物にしてまで、人類を存続させる意味とは? それって、人類と言えるの? 中盤に出てくる女性科学者二人にしても、人類改造への覚悟のほどが淡々として爽やかとさえ感じられるほどで、それが却って不気味である。遺伝子操作に対するこの時代の人たちの認識は、今の我々とはだいぶ異なるのだろうか。でも結局、陸上民と海上民でさえ対立してしまってるんだから、「ルーシイ」だとそれどころではなかろうに。
 その新人類(または亜人類)を、時が熟せばもとの人類に戻すという計画は、まるで『ナウシカ』の墓所のエピソードのようである。
 一方の獣舟の擬態ぶりは、ディックか星野之宣みたいでわくわくする。あるいはマーティン「サンドキングス」。

 この本を読みはじめてから、地図を探している。高度250メートルの等高線が描かれた地図である。260メートルまで水没するこの本の世界を地図化してみたいのだ。しかし、ない。ほとんどの地図の等高線が、100メートル、200メートル、500メートルなのだ。
 200メートルだとしても、想像を絶する海面上昇なのだが、世界全図のスケールでみると意外とそれほどでもない。
 ロシア・ヨーロッパ、オーストラリア、南アメリカなどは、かなり変貌するのだが、日本列島はそれほど変わらない。日本はかなり急峻な地形なので、日本群島と呼ぶほどには分断されない。
 しかし、こたびの大津波で三陸海岸が水没した衛星写真をみてぞっとした。260メートルなんて、本当に、想像を絶する。

 荒唐無稽ともいえる舞台設定に、地道な人々の営み。十二国記を連想した。
 十二国記も、あらたな展開は世界の終わりしかないかもしれない。西王母まで出てきて、あと、何をする?

2011年3月16日 (水)

静岡、震度6強

 昨日は奈良でも地震(震度2)。静岡県東部で震度6強。
 福島原発よ、鎮まりたまえ。

2011年3月15日 (火)

福島第一原発

 福島第一原発で炉心冷却に懸命になって下さっているみなさんの、被曝が気になっている。
 早く冷却が完了しますように。

2011年3月13日 (日)

大地震、大津波

 マグニチュード9.0。震度7。とんでもない大津波。「○○市、壊滅状態」なんて、小説の中の表現だと思ってた。行方不明者が生きて出てこなければ、死者が一万人を超えそう。原発も危険な状態。新潟にもまたしても地震が起こったが、あまり報道されないところをみると、被害は少なかった?だとしたらいいのだが。あの累々たる瓦礫が、無くなる日が早く来ますように。

2011年3月11日 (金)

地震、津波

 坂上二郎さん(76。コント55号)、毛利千代子さん(67。おはようパートナー)のご冥福をお祈りします。
 いっぽう、東北地方を中心に、大地震。広範囲にわたる津波。大きな余震が続いている。
 10日の雲南省の地震や、そのまえのニュージーランドの地震の対策もまだまだこれからだというのに。
 帰宅困難者も多数。
 もう寝るが、明日も一日混乱が続きそう。

2011年3月 9日 (水)

『華竜の宮』

 上田早夕里『華竜の宮』読了。良!
 21世紀、マントル対流の異常が引き起こした太平洋海底の隆起と温暖化による極氷融解が、海面を260メートル引き上げ、人類はその人口の半分を失った。残された土地をめぐる紛争と国家の再編を経て数世紀。
 陸上民と海上民にわかれた人類は、ようやく文明を復興させたが、ふたたび地殻変動の危機が。
 こう書くと、未来の災害シミュレーションSFとして、これはこれでおもしろそうなのだが、上田早夕里はこれでは済まない。
 短篇「魚舟・獣舟」の世界がいかに成立し、そして終焉を迎えるか。
 あの短篇のおどろおどろしさとともに、いわくいいがたい美しさもある、不思議な未来予想図となっている。(この項つづく)。


2011年3月 5日 (土)

『セント・オブ・ウーマン』

 映画『セント・オブ・ウーマン』(DVD)再観。良。
 エリート校ベアードの貧乏学生チャールズ・シムズは、感謝祭の連休のバイトに、頑固で口の悪い盲目の退役軍人、スレイド「中佐」の世話をすることになった。
 が、家族が外出したすきにスレイドは旅支度を始め、なしくずしにチャールズも同伴することに。
 クライマックスの「演説」は、『マジェスティック』でのそれと同じくらい名シーン。

 実はこの映画、昔字幕版を映画館で初めて観たのだが、「懲罰委員会」の結論がいまいちピンと来なくて、あまり感動できなかったのだ。
 そこで今回は、英語と日本語字幕と吹き替えを比べてみることにした。
 場面は「懲罰委員会」(the joint student-faculty Disciplinary Committee)の最後に、ハンセイカー先生(Mrs.Hunsaker)が結論を述べるシーンより。

 Misters Havemeyer,Potter and Jameson are placed on probation for suspicion of ungentlemanly conduct.
 It is further recommended that Mr.George Willis,Jr. receive neither recognition nor commendation for his cooperation.
 Mr.Charles Simms is excused from any further response to this incident.

〈日本語字幕〉
ハバマイヤー ポター ジェイミソンの3名は 非紳士的行為の疑惑で 仮及第に
またジョージ・ウィリス・ジュニアは 今回の件で一切の推賞を 受けるものではない
チャールズ・シムズは 本事件から解放される

〈日本語吹き替え〉
ハブマイヤー、ポッター、ジェイムスンの三君は、非紳士的行為の疑いにより保護観察とします。
ジョージ・ウィリス・ジュニア君は協力への報酬、お礼などを受け取らないように、委員会からお願いしておきます。
チャールズ・シムズ君には、この事件の責任は一切ないものとします。

 公開当時、当然日本語字幕で台詞を理解しようとしたわけだ。仮にそれが上記の〈日本語字幕〉と同じだったとすると、ピンと来なかったのもしかたがないかもしれない。
 「仮及第」は、「内定」のような良い意味にも取れる。
 「推賞を受けるものではない」とはなんのことだろう?
 この二つでつまずいてしまうと、最後の「解放される」が主人公にとって良いことだとはわかっても、学生たちがおおさわぎして喜ぶ様子にはとまどってしまうのだ。

 日本語吹き替えについては、ほぼ英語どおりの意味のようだ。唯一、「response」を「責任」と訳しているのが妙ではある。「responsibility」なら「責任」だが、「response」は「応答、返答、反応」だ。
 ともあれ、問題の三人への処罰が明確で、目撃者Aにはずるいことをしないように釘を刺したことがきちんと台詞でわかるので、「解放」が「責任なし」であってもさして問題ではない。
 晴れて私も学生たちと一緒にチャーリーの無罪放免を喜べる運びとなった。

 それにしても、校長の理屈はどう考えても変だ。理不尽だ。
 中佐が口添えしなければ、本当にチャーリーの処罰は校長の言う通りになってしまったのだろうか?
 だとすれば、本当にベアードの精神は死んでることが証明されただろう。

2011年3月 1日 (火)

神戸プリンクグロフケーキ

 中島PAにて、「神戸プリン・クグロフ・ケーキ」。カラメルソースか粉砂糖をかけて食べる。
 評価:並。バウムクーヘンのような食感。喉がつまる。「ケーキ」って感じがしない。しっとり感がほしい。
20110301a


20110301b


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