最近のトラックバック

« 神戸プリンクグロフケーキ | トップページ | 『華竜の宮』 »

2011年3月 5日 (土)

『セント・オブ・ウーマン』

 映画『セント・オブ・ウーマン』(DVD)再観。良。
 エリート校ベアードの貧乏学生チャールズ・シムズは、感謝祭の連休のバイトに、頑固で口の悪い盲目の退役軍人、スレイド「中佐」の世話をすることになった。
 が、家族が外出したすきにスレイドは旅支度を始め、なしくずしにチャールズも同伴することに。
 クライマックスの「演説」は、『マジェスティック』でのそれと同じくらい名シーン。

 実はこの映画、昔字幕版を映画館で初めて観たのだが、「懲罰委員会」の結論がいまいちピンと来なくて、あまり感動できなかったのだ。
 そこで今回は、英語と日本語字幕と吹き替えを比べてみることにした。
 場面は「懲罰委員会」(the joint student-faculty Disciplinary Committee)の最後に、ハンセイカー先生(Mrs.Hunsaker)が結論を述べるシーンより。

 Misters Havemeyer,Potter and Jameson are placed on probation for suspicion of ungentlemanly conduct.
 It is further recommended that Mr.George Willis,Jr. receive neither recognition nor commendation for his cooperation.
 Mr.Charles Simms is excused from any further response to this incident.

〈日本語字幕〉
ハバマイヤー ポター ジェイミソンの3名は 非紳士的行為の疑惑で 仮及第に
またジョージ・ウィリス・ジュニアは 今回の件で一切の推賞を 受けるものではない
チャールズ・シムズは 本事件から解放される

〈日本語吹き替え〉
ハブマイヤー、ポッター、ジェイムスンの三君は、非紳士的行為の疑いにより保護観察とします。
ジョージ・ウィリス・ジュニア君は協力への報酬、お礼などを受け取らないように、委員会からお願いしておきます。
チャールズ・シムズ君には、この事件の責任は一切ないものとします。

 公開当時、当然日本語字幕で台詞を理解しようとしたわけだ。仮にそれが上記の〈日本語字幕〉と同じだったとすると、ピンと来なかったのもしかたがないかもしれない。
 「仮及第」は、「内定」のような良い意味にも取れる。
 「推賞を受けるものではない」とはなんのことだろう?
 この二つでつまずいてしまうと、最後の「解放される」が主人公にとって良いことだとはわかっても、学生たちがおおさわぎして喜ぶ様子にはとまどってしまうのだ。

 日本語吹き替えについては、ほぼ英語どおりの意味のようだ。唯一、「response」を「責任」と訳しているのが妙ではある。「responsibility」なら「責任」だが、「response」は「応答、返答、反応」だ。
 ともあれ、問題の三人への処罰が明確で、目撃者Aにはずるいことをしないように釘を刺したことがきちんと台詞でわかるので、「解放」が「責任なし」であってもさして問題ではない。
 晴れて私も学生たちと一緒にチャーリーの無罪放免を喜べる運びとなった。

 それにしても、校長の理屈はどう考えても変だ。理不尽だ。
 中佐が口添えしなければ、本当にチャーリーの処罰は校長の言う通りになってしまったのだろうか?
 だとすれば、本当にベアードの精神は死んでることが証明されただろう。

« 神戸プリンクグロフケーキ | トップページ | 『華竜の宮』 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/502963/51043987

この記事へのトラックバック一覧です: 『セント・オブ・ウーマン』:

« 神戸プリンクグロフケーキ | トップページ | 『華竜の宮』 »