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2011年6月 1日 (水)

大森望・編『不思議の扉 時間がいっはい』

 大森望・編『不思議の扉 時間がいっはい』読了。
 最近いくつものアンソロジーを編集している大森望。これもそのひとつ。
 筒井康隆「しゃっくり」時間が10分だけ何度も何度も繰り返す現象が起こり、人々はそのことを記憶にとどめているため、混乱し、気が変になり、ループのたびにあちこちでいろんなことが起こる。編者は時間ループものの元祖と言っているが(1965)、リプレイものとどう区別してるのか不明。繰り返す長さの違いだけだろう? ともあれ、良作。
 大槻ケンヂ「戦国バレンタインデー」神様の“移し変えの失敗”のために戦国時代にタイムスリップしてしまったゴスロリ少女。
 牧野修「おもひで女」主人公は幼い頃の記憶におそろしい女の姿を見つける。その女は、記憶の中を過去から今へと近づいてくる。よくできたホラー。
 谷川流「エンドレスエイト」涼宮ハルヒの仲間たちは、自分たちが夏休みの15日間を何度も繰り返していることに気づく。『涼宮ハルヒの憂鬱』本編は読んだことがない。どうも合わんな、この文体。ネタもイマイチ。
 星新一「時の渦」世界中が動揺しはじめる。数ヶ月先のある日を境に、誰も、それ以降のことをいっさい考えることができなくなってしまったのだ。来年の予定が立てられない。コンピュータも将来の予測ができない。その「ゼロ日時」がついにおとずれた時、さらに驚くべきことが起こる。ずいぶん昔に書かれた話なのに(1966)、新鮮で驚きの展開。古典的名作。
 大井三重子「めもあある美術館」ぼくはある日、ふしぎな美術館を見つける。そこにはぼくの名前の掛かった部屋があった。
 フィッツジェラルド「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」老人として誕生したベンジャミンの数奇な人生。いやぁ、いくらなんでも、身長体重は赤ん坊並みでないとおかしいだろ。後発ゆえ当然とはいえ山田太一『飛ぶ夢をしばらく見ない』のほうが、そのへんをあいまいにしてるので受け入れやすい。


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