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2011年10月 2日 (日)

正心誠意

 野田佳彦新首相の所信表明演説の「正心誠意」が気になって、広辞苑で調べたが、載ってない。
 そりゃそうだ、「誠心誠意」だもん。勝手に造語するなよ、と思ったら、勝海舟からの引用だという。
 そうだったのか、と思っていたら、産經新聞正論欄で、立命館大学教授、加地伸行氏が書いている。
 題して「「正心誠意」を海舟作とした浅学」。
 儒教古典のなかでも押さえておくべき四書として『論語』、『孟子』、『礼記』大学篇、『礼記』中庸篇があり、学庸論孟というそうな。
 『大学』にいわく、政治の目的は道徳的社会を作ること。そのためには、八条目を連関づけながらしっかりと究めること。
 天下を平らかにするためにはまず国を治める。そのためには家を斉(ととの)える。そのためには身を修める。そのためには心を正す。そのためには意思を誠実にする。そのためには知識を磨く。そのためには物の道理を感得する。これすなわち八条目「平天下、治国、斉家、修身、正心、誠意、致知、格物」。
 だから「正心誠意」の前に、民主党内を秩序づけ(斉家)、内閣に疑惑のある者を入れるな(修身)と、なかなかうまいことを言っている。
 でもちょっと、学をひけらかしてるようで少々鼻につく。江戸明治なら幼児でも知ってる、といわれてもね。
 それに、斉家のまえにまず修身、その前にまず正心と言っておきながら、順序が逆だ。
 野田さんが浅学なら、加地さんは浅薄だ、四書の話でせっかく感心したのに、なまじ人の足元をすくおうとして自分でこけたみたい。
 鉢呂経産相への言葉狩りめいた批判にも似た、いやな感じのする批判だ。

 なお「誠心誠意」は俗化された表記だそうだが、広辞苑第三版には「正心誠意」は載ってない。でも角川新字源には載っていた。さすが漢和辞典。

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