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2011年10月31日 (月)

『心星ひとつ』『詩羽のいる街』

 髙田郁『心星ひとつ』良。
 澪にも野江にも申し訳ないが、大店の料理人となる話を読みたいわけでも、侍の妻となる話を読みたいわけでもないので。はい。そんなつらい心情を味わいつつ、また次回に期待。

 山本弘『詩羽のいる街』良。とある地方都市、賀来野を舞台にした短篇集。
 「それ自身は変化することなく」…漫画家志望の男が出会った、不思議な生き方をする女性、詩羽。
 「ジーン・ケリーのように」…自殺しようとしていた「しいちゃん」の目の前に急に現れ、止めるわけでもなく彼女を翻弄する詩羽。
 「恐ろしい「ありがとう」」…ネットで、実社会で、誰にも知られることなく悪意をまき散らし悦に入る男。とつぜん彼の家に上がり込んできた詩羽。
 「今、燃えている炎」…賀来野市で開催されるアニメ聖地イベント「賀来野ガルテリ祭」にやってきたサキの目的は、都市伝説「詩羽」の真相を知ることだった。

 第一話。これはファンタジーだけど、これに準ずることはあちこちの町や村で小規模に起こってるはずだなぁ。
 第二話。当然のことながら未然に防がれるわけだが…。
 第三話。ここまで、人の世に善意はある、それが世の中を変えるんだ、という方向性だった物語が、悪意の話にかわる。そりゃそうだ。それが人間の世界だ。しかしこの物語でそれをここまでストレートに出すか? と、作者の「転」(起承転結の)の激しさに驚かされる。
 第四話。で、ここまできて「都市伝説」って! 一瞬、そういう話もアリかも? って思った。いやぁ、驚かされる。

 良い話。あちこちに彼女のような人がいるといいな。でも、やっぱり第三話の男のような、しかもあえて改心しようとしない男がいるんだろうな。でも、彼女の10分の1以上のパワーを持ってる人も、たくさんいると思う。
 あの娘が彼女から色紙をもらう場面は、身震いするほど感動する。『Always三丁目の夕日』で淳之介が雑誌を抱きしめるシーンと似ている。

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