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2012年4月 6日 (金)

三谷幸喜

 三谷幸喜の芝居(WOWWOW録画)を友人に借りて見る。

 『ベッジ・パードン』
 野村萬斎が、ロンドン留学中の夏目金之助(漱石)を演じるお芝居。
 漱石が留学中に心の病(ノイローゼ?)を患ったのは有名。ある小説では自分をシャーロック・ホームズだと思い込んだ漱石がベーカー街で探偵するなんて話になってたりする。
 このお芝居では、漱石の目に映る英国人がみんな同じ顔に見えるという症状が出ているという設定で、浅野和之が一人で何人もの人物を演じ分ける理屈づけになっている。
 冒頭で下宿の主人だった浅野が、次に女主人となって現れ笑いを誘ったあとに、漱石が友人に症状を明かすと大笑いである。
 まさか一人複数役を病気に結びつけるとは! おかげで演じる役者は全部で5人のみ。
 三谷はいろんな史料からアニー・ペリンという女中さんへの漱石の愛を感じ、物語に取り入れたという。アニーを演じるのは深津絵里。
 大泉洋演じるロンドン在住の日本人畑中と漱石の会話が、時々日本語で交わされる(ていになる)が、その切り替えが笑わせる。
 それにしても、畑中の仕打ちがどうにも理解できない。後味悪い。

 『ショート・カット』
 妻(鈴木京香)の親戚の葬式に同行して山村を訪れた夫(中井貴一)。帰る段になって二人の車がガス欠で動かなくなり、仕方なく歩いて麓まで降りることに。この辺は庭みたなもんだからという妻のあとについて近道を行くことになるが・・・。
 前編1カットで撮影された実験的ドラマという面もあるが、あまり気にならず見れた(カメラマンさん、おつかれさま)。
 次々にいろんなことが起こり、それなりにおもしろいが、それぞれには特につながりもなく、伏線が回収されるような感動はない。
 切り株のくぼみにたまった甘い水をすするような奇抜なエピソードは、舞台だったら面白いのかもしれないが、ドラマとして見てしまうと、引く。(『12人の優しい日本人』の映画で笑えなかったシーンが、舞台版で笑えた例もある)。
 ちょっとヤッツケシゴト?とかんぐりそうになる雑さは、ある。とことん練り直せば、舞台にでも映画にでもできると思う。
 P.S. タイムカプセルは勝手に掘り返さず、クラス会まで待ってほしい。

 『ろくでなし石川啄木』
 石川啄木の元彼女トミ(吹石一恵)と元友人テツ(中村勘九郎)が在りし日の啄木(藤原竜也)を回顧する。
 トミの語る「あの日のこと」と、テツの語るそれとが、微妙に食い違う。真実はどこに?
 三谷幸喜の歴史物(広い意味で)って、どこまで本当なんだろう? 啄木のワルぶりは、おもしろいけど脚色しすぎてないの?(まあ、井上ひさしにも『泣き虫なまいき石川啄木』なんてのがあった(未見)から、ある程度そうなのかも知れないが)
 ひざ関節のパフパフは、爆笑するしかないが、コメディ仕立てとはいえシリアスなドラマと落差ありすぎ。

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