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2012年7月 2日 (月)

翻訳について

 「翻訳で失われるもの」(『すぐいじける女の子のブログ』)を読んで。
 ホーガン『星を継ぐもの』(原題:Inherit the stars」)という邦題からは、複数形ゆえの空間的ひろがりと、動詞(命令形?)ゆえの緊迫感が失われている、と「すぐいじける女の子」は言う。なるほどな指摘だ。
 しかし、日本語としてキャッチーなタイトルを考えるということも大事だ。「星」は「星々」でもいいだろう。でも、命令形のタイトルって、私はあまり好きではない。「飛翔せよ、遥かなる空へ」とか「残像を殺せ」とか「タイタニックを引き上げろ」とか(『果てしなき河よ我を誘え』という名タイトルもあるが)。体言止めを好む志向は、無視できないと思う。直訳したら戸惑うようなタイトルも考えものだ。
(『果てしなき河よ我を誘え』の原題「TO YOUR SCATTERED BODIES GO」も、意味がよくわからないのだが、直訳しなくてよかったと思う)
 とはいえ、「可読性を少し犠牲にしてももっと直訳に近い翻訳を」との思いもよくわかる。私は英文ではとても読めないので、読みやすい翻訳にすがりたいのだが、お気に入りになって何度も読んでいるうちに、あるいは映画なら吹き替え版を何度も観ているうちに、本当はどんなふうに言っているのか気になって、英語の字幕で確認したりするのだ(本だとそう簡単にはいかないのだけれど)。邦訳が意外にトンチンカンでビックリしたことも(2011.03.05、06.26、映画『セント・オブ・ウーマン 夢の香り』の記事参照)。
 もちろん、日本語として違和感なく読めて、なおかつ原文の意味を損なわない翻訳を、翻訳者のみなさんには期待しています。

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コメント

こんにちは、すぐいじける女の子です。返信が遅くなりました。私のブログにもコメントに返信させていただきましたが、記事に興味を持ってくださってありがとうございます。

おっしゃる通り、読みやすい訳、キャッチーな日本語にすることはとても重要なことですが、読みやすくアレンジした程度ではない、あまりにもとんちんかんな和訳を見つけちゃうとがっくりしますね。みんなが読みやすいような翻訳は専門家にお任せするとして、私はブログでひっそりそのような誤訳を指摘し続けたいと思ってます。

『星を継ぐもの』の場合は、特に訳がおかしいと指摘している訳ではなく、たったの3 wordなのにこんなに意味違いますとのことをアピールしたかっただけです。汗さんのように命令形が気に入らないという方もいらっしゃるだろうし、『星を継ぐもの』という訳は日本語にしては適切に妥協された、ある意味次善の策ではないかと思います。

今後ももし気になる記事などありましたらぜひコメントいただけるとうれしいです。(ただ、変な匿名コメントがつくようになりGoogle IDがないとコメントできないようにしました) 私も汗さんのブログ、読ませていただきます。よろしくお願いします。

 すぐいじける女の子さん、こんにちは。コメントありがとうございます。こちらの近況は、ごらんのとおりです。
 そちらは、PKディックですか。私も何冊か読みました。一番印象深いのは、『ユービック』かな。退行していく世界の描写がいい。
 「ゆめみる」という解釈は、目から鱗です。思ってもみませんでした。アメリカ人も寝るとき羊を数えるのかな?くらいにしか思ってませんでした。
 タイトルどおりの開店休業状態の運営ですが、ぼちぼち書いていきますので、どうぞごひいきに。

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