最近のトラックバック

« 『題名のない番組』 | トップページ | 「出世払い」 »

2012年7月11日 (水)

うえむらちか『灯籠』

 うえむらちか『灯籠』読了。まあまあ。
 きのう本屋でSFマガジンを立ち読みしてて、何冊かの新刊について紹介されていたのだが、そのうちの何冊かが書棚に並んでいて、選んだのが『灯籠』。同誌での著者インタビューと、片山若子の表紙に惹かれた。
 8歳の夏、初盆の灯籠を持って墓地に向かっていた灯(ともり)は、正造という名の青年と出会う。父母をなくし孤独な少女・灯は、お盆の四日間だけここにいるという正造と、それから毎年、同じ場所で会うようになる。・・・「灯籠」。
 代用教員として故郷に帰ってきた清水。赴任する高校に挨拶に行った夏休み、忍び込んだ屋上で、あのころの灯との出来事を回想する。・・・「ララバイ」。
 
(以下、ネタバレを含む)
 文章が味わい深くて、良い。うら若いタレントさん(知らん人)ということから想像していた稚拙さとはまったく無縁だった。
 正造と出会いさえしなければ、灯はもう少し普通の女子高生として生きられたのだろうか? と彼女の生き方がとてもせつなく心が苦しかった。
 なんて思ってたら、「ララバイ」である。
 つまり、二段構えのシックスセンス?
 あらためて読み返してみると、他人との関わりは叙述方法によって巧くかわしていた。
 「ララバイ」の最初のほうで、一瞬「わたし」が同級生の女生徒かと勘違いしたのだが、彼女が主人公ならどんな話になるのだろう、「いじわる」を帳消しにするような胸打たれる話になるのだろうかと勝手に期待した。
 彼女が生きていないのなら、いったいいつ死んだのか?
 父母といっしょに? 高校生になって?(だとすると、死んだのちに八歳からやり直した?)

« 『題名のない番組』 | トップページ | 「出世払い」 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/502963/55177928

この記事へのトラックバック一覧です: うえむらちか『灯籠』:

« 『題名のない番組』 | トップページ | 「出世払い」 »