最近のトラックバック

« 日中韓漢字共通八百字 | トップページ | 米澤穂信新作、ほか。 »

2013年9月 8日 (日)

宮崎駿引退会見

 宮崎駿引退会見。
(以下引用)
 監督になってよかったと思うことは一度もない。でも、アニメーターになってよかったと思うことはある。うまく風が描けたとか、水の処理がうまくいった、光の表現がうまくいったとか…そういうことで2、3日、短くても2、3時間は幸せになれる。(中略)
 僕は18の時から修行を始めたが、監督になる前『アニメーションというのは世界の秘密をのぞき見ることだ。風や人の動きや表情やまなざしや体の筋肉の中に世界の秘密がある。そう思える仕事だ』と分かった。そのとたん、自分の仕事がやるに値する仕事だと思った。(【宮崎監督引退会見ライブ】 - MSN産経ニュース より引用)
 この部分を読んで、宮崎監督は「様式の長(Master Patterner)」(ル・グイン〈ゲド戦記〉の)かもしれないと思った。
 以下、自分の文章から引用。
 pattern という言葉が一番理解しがたい。動詞では「模様を作る、(行動などの)手本[範]とする」といった意味がある。「ことばも様式も忘れてしまった I have forgotten the words and the patterning」という文もあるが、よくわからない。様式の長のやっていることから考えると、「森羅万象を全身で感じ取り、そこから世界を認識し、なすべきことを推し量る」というような意味を込めているのだろうか。(2006年、映画『ゲド戦記』を観たあとで
 宮崎監督は『もののけ姫』ではアシタカにこう言わせている。
「くもりなきまなこで見定め、決める」と。これも「様式の長」っぽい。
 その他の「長」についても引用してみると、
 守りの長 Master Gatekeeper、様式の長 Master Patterner、詩の長 Master Chanter、薬草の長 Master Herbal、姿かえの長 Master Changer、風の長 Master Windkey、呼び出しの長 Master Summoner、手わざの長 Master Hand、名付けの長 Master Namer(引用元、同じ)
 どれもこれも、宮崎駿っぽいなぁ。というか、アニメーション監督っぽいというべきか。
 ならば彼にふさわしい称号はこれしかない。「大賢人 (archmage)」。
(arch- :「首位の、第一級の」。mage :「《古》魔法使い、魔術師」)
 ところで監督は会見で、こう言っている。
 「僕は自由です。やってもやらなくても自由です。だから、前からやりたいことをやろうと。それはアニメーションではありません」
 ここでちょっと、以前「司書の駄弁者」に投稿した文章から引用。
 事件解決の鍵を握る人物がいて、彼(彼女)が決意さえすれば、解決への取っ掛かりができるのだが、そうすることで彼女は後戻りできないところに追い詰められるという状況。そんななか、自分はあのなつかしい場所へ戻ることもできるのだという確認作業をすることで、むしろその場所を捨てる決意をする。こういう展開は、パターンを変えていろんな作品にありがちな気もしますが、心打たれるものです。(SF名文句・迷文句集第98集の投稿「ウォーレスの人魚」より)
 「僕は自由」と確認する事で、むしろその自由を捨てる決意を・・・ってことはないだろうな。(苦笑)
 引退に関する私の考えは、9月2日に書いたとおり。おつかれさまでした&ありがとうございました。

« 日中韓漢字共通八百字 | トップページ | 米澤穂信新作、ほか。 »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

ニュース」カテゴリの記事

映画・テレビ」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/502963/58150709

この記事へのトラックバック一覧です: 宮崎駿引退会見:

« 日中韓漢字共通八百字 | トップページ | 米澤穂信新作、ほか。 »