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2013年11月13日 (水)

「あの頃のまま」

 ブレッド&バターの歌「あの頃のまま」の歌詞で、前からちょっと気になっていることがあります。
 サイト「歌詞タイム」より、ほどほどに引用します。
 (第一段)
 〈6時のターミナルでふりむいたきみは/板に付いた紺色のスーツ〉
 ターミナルは、電車の執着駅ですね。関西で例に挙げるなら、近鉄奈良駅ではなく阪急梅田駅にしといたほうが無難でしょう。
 会社を定時であがった夕方6時、駅に上がろうとした階段で呼び止められたか、BIGMANで待ち合わせてたか。
 すでに仕事もそこそここなせるようになっているようです。
 〈今でも気まぐれに街をゆくぼくは/変わらないよ ああ あのころのままさ〉
 就職してないんでしょうか。アーティストを夢見てアルバイトしながら時々ライブハウスにでも出てるのでしょうか。
 ああ疲れた、以下手抜き。このあと、第四段でふたりは「馴染みの店」に入り、お茶かお酒。
 問題は、第二段と第五段です。
 (第二段)
 〈去りゆく若い時間をひとり止めているようで/うらやましいやつだよとはじめて笑ってくれた〉
 (第五段)
 〈人生のひとふしまだ 卒業したくないぼくと/たあいない夢なんかとっくに切り捨てたきみ〉
 「はじめて」とは、いつのこと? ターミナルで再会してから馴染みの店に入るまでの間、会話しながらも彼はいっこうに笑っていなかったということでしょうか? そして「ぼく」にとってずいぶん長い時間が経ったころに、やっと笑ってくれた? 店に入る手前で?
 単刀直入に言えば、この2段は、逆のほうがおさまりがいいように常々思っているのです。
 再会した「たあいない夢なんかとっくに切り捨てたきみ」は「人生のひとふしまだ卒業したくないぼく」に浅からぬ溝を感じている。彼のぎこちなさを「ぼく」も感じているから、第三段の「そらさないでおくれ その瞳を」となる。馴染みの店に入り、飲み交わしているうちに、やっと「うらやましいやつだよ」と笑ってくれる。
 このほうが、自然な気がするのです。
 もちろん、物語を歌の歌詞にするにあたって、言葉を前後させるということはあるでしょう。
 「はじめて笑ってくれた」のは、実際には飲みはじめた後かもしれない。でも「ぼく」が彼との再会で感じたことが、なによりもいちばん第五段のことだったのでそのことを後に持ってきた、ということかもしれない。
 でもなんか、しっくりきません。
 カラオケで歌うときは、やっぱり逆に歌いたくなります。
 ところで今回ネットで歌詞を確認しようとしてびっくり。作詞作曲・呉田軽穂! 松任谷由実だったのか!
 他に松任谷由実自身も歌ってるし、桑名晴子、桑名正博、稲垣潤一も歌ってるもよう。島田歌穂バージョンは前から好きです。(ラストのコーラスのフェイドアウトが蛇足だけど)

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