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2014年8月 3日 (日)

時の罠

 四人の作家によるアンソロジー『時の罠』読了。良。

 父親であることに無頓着な主人公と息子の将来の夢・・・辻村深月「タイムカプセルの八年」

 タイトルから推測できるとおり、杜子春的物語をひとひねり・・・万城目学「トシ&シュン」

 A.D.870からはじまる遠江国のふたご山、上津山と下津山の物語・・・米澤穂信「下津山縁起」

 いじめられっ子だった優介が、会いたい人もいないのにクラス会に向かうわけ・・・湊かなえ「長井優介へ」

 小説野性時代での質問で米澤穂信をうろたえさせていた辻村深月、やるじゃん。胸が熱くなった。

 万城目学を読むのは初めて。映画「素晴らしき哉、人生」っぽいところもいい。

 下津山縁起、読み返すと冒頭のエピソードからして意味深。

 優介の聴覚障害は、話しかけられても頭に届くまでに5秒かかるというものだが、たぶん障害を特定しないために架空の症状を設定してるのだが、ある意味SF的設定にみえるゆえに、展開やオチにどう反映させるのかと期待してしまった。ラストの謎解きは、あまりしっくりこない。主人公の心が軽くなるなら、それでもいいんだが。

 四人の著者の名前順と、作品掲載順がちがう。たぶん、表紙等の名前順は、五十音順なので米澤穂信が最後なのだが、ラストを飾る作品としてはそぐわないという判断なんだろう。まあ、正解だな。他のにまったく見劣りしない面白さだが。

 追記。どうみても架空の設定のような「5秒遅れ」。でも、感情の起伏がないように思われることや、反応が遅いことは、私そのものじゃないか。身につまされる。

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