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2014年11月 7日 (金)

原田マハ『キネマの神様』

 原田マハ『キネマの神様』。良!
 大会社の課長に昇進したキャリアウーマン円山歩が、四十歳目前の左遷に反発して退職。直後に父が倒れる。しかも借金発覚。
 入院した父と付き添いの母が不在中、父の仕事の代理でマンションの管理人室の留守を守る歩。映画好きの父は長年にわたる映画鑑賞記録を管理人日誌にびっしり書き込んでいた。
 父が退院する前日、何度も読み返した父の日誌の「ニュー・シネマ・パラダイス」のページを再び読んだあと、歩はチラシの裏に自らの「ニュー・シネマ・パラダイス」に対する思い、映画や映画館に対する思いを書き綴る。
 ハローワークに通う歩にある日、映画専門誌「映友」から電話がかかってくる。うちのブログへの書き込み読みました、うちでライターやりませんか、と。父が勝手に歩の文章を投稿していたのだ。
 
 映画への熱い思い、映画館への、名画座への熱い思いが熱く厚く感じられるお話。
 展開としては少々ベタなテレビドラマ(10話くらいの)的ではあるが、ベタにドキドキするし、ベタに泣かされる。
 
 片桐はいりの解説がいい。映画を見終わったあと、その余韻にひたりながら静かに日常が戻ってくるように、小説の余韻を壊さないように静かに言葉が並べられ、1ページが過ぎたころようやく自己紹介と解説がはじまる。
 片桐はいりもまた、映画と映画館に対する熱い思いを持った人だ。この人のなにげないエピソードにも心ふるわせられる。
 ああ、自分も映画好きでよかった、と言えない自分が悲しい。ふりかえると自分は、映画好きとはとても言えない。観てる数もしれてるし、映画館にもほとんど行かない。
 映画番組好きではあった。MBS毎日放送テレビ「シネマチップス」。ABC朝日放送ラジオ「ABCアシッド映画館」。いまだにそんな終わってしまった番組を懐かしんでいる。
 
 本作における重要なキーファクター、映画「ニュー・シネマ・パラダイス」は観たことがあるけれど、「ふーん」という程度の印象しかない。映画館にまつわる映画なら、ジム・キャリー主演の「マジェスティック」が大好きだ。元映画館主のハリーが自分の映画論、映画館論を「演説」するシーンが熱い。
 「ニュー・シネマ・パラダイス」、そんなにいいなら、観直してみようかな。

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