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2015年1月29日 (木)

原田マハ『楽園のカンヴァス』

 原田マハ『楽園のカンヴァス』読了。良!
 倉敷の大原美術館で監視員として働きながら、母と娘との三人で暮らす早川織絵。ある日、館長室に呼び出された織絵は、そこにいた暁星新聞社文化事業部部長の高野と名乗る男から、企画中のルソー展の交渉窓口になるよう求められる。学芸員でもない一介の監視員にすぎない織絵だが、意外な要請を聞いて、かつてのパリでの出来事がよみがえる。
 上質のミステリー。17年前、彼女がもう一人のルソー研究者とともに鑑定を依頼された、ルソー作とされる「夢をみた」の真贋と、何者かの手による物語「夢をみた」の内容が読者を引き込む。
 最終章が少々肩透かし(もっとなにかあると思ってた)だが、それでも彼らの心のなかを思い、胸がいっぱいになった。
「その一言こそが真理だった。この百年のあいだ、モダン・アートを見出し、モダン・アートに魅せられた幾千、幾万の人々の胸に宿ったひと言だったのだ」
 モダン・アートを正しく評価することは私にはできない。でも、この小説の主人公がティムでも織絵でもなく「モダン・アート」なのだと言わんばかりのこの言葉が、モダン・アートに向ける著者の熱い思いを表しているように思われる。
 (でもやっぱり、「パンドラの箱」は大げさじゃん。家族問題も拍子抜けだし。と言っておく)
 (パンドラの箱のふたが開いて、ふっきれたから明るくなって、娘もイッチョカミしやすい雰囲気になり、わだかまりに雪解けムード、という流れ?)

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